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ごまの「アニメ批評日記」

「七人のナナ」第1話〜第3話

第1問「ナナ×7=ナナ?」

放映日2002年1月10日

あらすじ

中学2年のバレンタインデー。
ナナは憧れの神近くんにチョコレートケーキを渡そうとしたが、
意地悪三人組のせいでチョコは池の中に落っこちてしまった。
急いで作りなおそうと帰宅するが、オーブンレンジが消えてしまった。
「さてはまたぞろ発明家のお爺ちゃんが発明のために使ったな」と、お爺ちゃんの工房へ。
案の定そこにあったオーブンレンジは何やら使用中。
急いで使いたいナナはタイマーを強制的にゼロにした。
すると中に入っていた「虹の光を固形化しようとしたもの7個」が飛び散った。
その光がナナの身体をすりぬけると、ナナの姿は消えてしまった。
遠くの桜の下に再び現れたナナは七体になっていた・・。

レビュー

「ミスター味っ子」「Gガンダム」などの話題作を作った
今川泰宏監督のオリジナル新作。

舞台は京都と高山をモチーフとしたらしい町。
今回すったもんだの末、神近くんにチョコレートを渡すことができたが、
メッセージカードに自分の名前を書くのを忘れてしまった。
来年のバレンタインデーは高校受験の最中。
もう一度告白するために神近くんと同じ高校を目指して受験に取り組むという設定。

何といってもアイデアが秀逸。
これまで複数の女の子キャラが登場するアニメは幾度となく作られましたが、
同じキャラが分身(?)して、それぞれ個性的な別人格という設定が面白いです。
受験に取り組む理由づけがちょっと強引ですが、
「受験ラブコメ」が今後どう展開するのか期待大です。

キャラデザは何だか野暮ったい感じもしますが、
ゲームっぽい平板な美少女キャラに比べると
シンプルで良いと思います。

声優陣は、
各キャラの声が突出しないように選ばれたのでしょう。
悪く言えば下手。不安材料ではあります。

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第2問「大混乱! 七人そろって学校へ?」

放映日2002年1月17日

あらすじ

新学期を迎えて中学3年生になったナナとコピーナナ。
学校へは毎日ジャンケンをして勝ったナナが行くことにしたのだが、
オリジナルのナナはまだ一度も登校できず。
学校に行きたくても聞いてもらえないナナは落ち込んでしまう。
それを見たコピーナナ達はナナを学校に行かせる。
ナナのコピーだけにいいところある・・と思いきや、
その裏でコピーナナ達は、ナナそっちのけである企みを実行に移そうとしていた。
神近くんの手に最初に触れたものが今後ずっと登校できる権利を得るというのだ・・。

レビュー

「神近くんの手に触れた者」というバトルが提示された時点で、
紆余曲折の末オリジナルナナが最初に手を触れ万事解決・・
というオチが読めるのですが、
コピーナナ(ナナっぺ)が積極的に手を触れようとしても
オリジナルのナナの性格が影響していてなかなか触れられないという描写など、
面白かったです。

コピーナナたちが仲間割れ(?)を起こして戦った結果、
ナナリンが結晶を独り占めして神近くんの下に向かうのは、
資料室で標本に驚いて泣き叫ぶ・・という展開のため。
それ自体はいいんですが、
結晶を独り占めするところに説得力があればもっと面白かったと思います。
本編の展開・描写では予定調和な感は否めません。

神近くんの後ろについたコピーナナたちが、
ばれないように一列に並んで隠れるところは、
そんなので隠れられるわけはないと分かり切ってるのですが、
ウケてしまいました。

▲ 画面上へ

第3問「七人みんなで一人のナナ?」

放映日2002年1月24日

あらすじ

お爺ちゃんによると、プリズムが元に戻る一年後に七人のナナが一人に戻らないと、
七人全員が消滅してしまうという。
とりあえずは神近くんと同じ高校に行けるように勉強しようということに。
時は5月のゴールデンウィーク。学校でフリーマーケットのイベントが行われている。
コピーナナたちは「行きたい」というが、ナナは勉強があるからと取り合わない。
その時、町長さんがフリマのアトラクションに使う「ナナレンジャー」の衣装をもってきた。
コピーナナたちはその衣装を着てフリーマーケットに行くが、
そこで「次のテストの成績別にクラス替えが行われる」と知り、
何も言わないナナのために奮起するが、一体何をするのか・・。

レビュー

1話と比べると明らかに「絵的な動き」が少なくなっています。
どうも「1話にシリーズ最高の出来」を持ってくるのが最近の傾向のようですし、
テレビアニメとしては充分な出来ではありますが、
今回は作画がちょっと粗い印象を受けました。
ラストの方のナナたちのアップや、
オリジナルナナがタイトルを台詞で言うところでナナの顔がアップになるところは
明らかに変調をきたしてました。

ストーリーも今回は変でした。
校長が試験問題を死守するといって校長室に立てこもってるところや、
コピーナナたちの「良い考え」の真相が嘆願書を出しに行くことだったのは、
「テスト問題を盗みに行くのでは」と思わせておくという演出にしても、
「お話」にしても荒唐無稽で引いてしまいました。

ナナたちがナナレンジャーになるという、これから先の展開を
アトラクション絡みのお話できっかけとしているとことや、
神近くんが最初の撮影でナナレンジャーを避けているのは
実は7人目を捜していたというオチなどは
良い演出だったと思います。

( 更新:2002年1月30日 文責:ごま )
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