暗雲による影響がドン・コロコローネの飼い主である怪盗パンサーにも及ぶ、という話。
一度登場済みのキャラクターが再登場する、という展開は楽しみが増す良い演出だと思います。
コロコローネ達を追う警察犬は、最近フレディー達の前に現れた警察帽をかぶった犬とは別だと思うのですが、
この警察帽をかぶった犬の存在が謎過ぎるのが気になるところ。
おそらく暗雲と何らかの関係があるのでしょうが、フレディー & ドッチが何のツッコミもしないのは変です。
フレディー & ドッチの場面では、ドッチがやたら擬人化されているのに興ざめでした。
コロコローネの機嫌を取るために子分たちが踊るところ等はまだ許せるのですが。
愛ちゃんにも影響している、人間と犬との関係に起こっている異変を解決するためフレディーが旅立ちを決意する、という話。
愛ちゃんをはじめとする異変を説く鍵が「伝説のふぉうちゅんツリー」ということで、
これからがシリーズの本当の本編ということなのでしょうが、展開のもっていき方が強引に感じます。
愛ちゃん捜索→ふぉうちゅんツリー探索と、
リアル路線→ファンタジー路線に転換している分、よけいにそう感じます。
もう少しなんとかならなかったのでしょうか。
映像的にもキャラクターに背景が透けて見えたり、とデジタルの処理・作画がいい加減でげんなり。
フレディーがふぉうちゅんツリー探索を決意するところが、
愛ちゃんを絡めて順序だてて描いていたところだけは救いといえます。
フレディー(アレックス)と愛ちゃんがようやく再会を果たすも、立ちこめる暗雲によって不可思議な現象が、という話。
再会のシーンが淡泊過ぎたのが残念です。
振り返った愛ちゃんとフレディーが見つめ合うところで、
もっともっと心象描写を入れて感動の再会を盛り上げて欲しかったと思いました。
その後の展開も、愛ちゃんとフレディーとふれあいが何事もなかったかのように描かれているだけ、という印象。
両親の驚きなども入れて欲しいところです。
暗雲による現象は、「ふぉうちゅうんツリー」のお伽話とあわせて、
本作の核となる展開要素なのでしょうが、
ここは2話に分けて、今回は感動の再会に徹した方が良かったのではないでしょうか。
人の心を癒す為の犬・セラピー犬のラブリー(ラブラドール・レトリバー)や
サンペー(ウェルシュ・コーギー)と出会う、という話。
元救助犬のラブリー、セラピー犬という仕事、愛犬を失った女の子、謎の居候犬サンペー、
と盛りだくさんの要素を詰め込んでの内容で見応えがありました。
セラピー犬の仕事を丁寧に説明しながら、
「沢山の人と心を通わせる。なんてすごいことだ」
と、これまでの物語性とのつながりを強調しつつ、
その仕事に感動するフレディーが、
ラブリーやサンペーに素質を認められるなか、
愛犬を失ったカレンの心を最後に癒すという展開は見事でした。
ラストシーンの満開に咲く花は、リキューの回と同じく心象風景でしょうか。
シーンそのものは美しいですが、あまり何回もやるのはどうかという気もします。
こういう演出を多用するのなら、
いっそシリーズ最初から心象風景にこだわるという演出の方が良かったかもしれません。
居候で言葉を発しないサンペーがフレディーに語りかける描写は、
その方法がテレパシーらしきものであったり、
「伝説のふぉうちゅんドッグ」という台詞が登場したりと、
サンペーの存在自体を含めて意味深なものになっています。
サンペーは今後も物語に絡むことがあるのでしょうか。
伝説云々はともかく、テレパシーらしき意思伝達の説明がついてないので、
今回限りのキャラだとしたら釈然としないものが残ります。
ラブリーのキャラクター設定を元救助犬の老犬(?)としたのは、
本編の通り、溺れるドッチがラブリーに救われるというきっかけによって
セラピー犬の仕事場につれていかれる、
という自然な展開を上手く作り上げていて良かったと思います。
ただ救助犬という使い勝手のよさそうな要素を惜しげもなくつかってしまって、
少々もったいないような気もしました。
あと、本筋とはあまり関係ないですが、ドッチは今回もいい味を出していました。
セラピー犬の仕事を嫌がりつつも、
その内容・意義はしっかり理解しているように描かれていて、
フレディーの良き(?)先輩役という部分がさり気なく表現できています。
駅前で帰らぬ主人を待ち続ける秋田犬リキューとフレディー達が出会う、という話。
忠犬ハチ公的設定に「本当の事を教えるのは本人の為か否か」というベタな要素での展開。
フレディーが土佐犬リョーマとの一時を回想して、
待ち続けるリキューに帰らぬ主人との絆を見るという描写が良かったです。
最後はさながら銀河鉄道の夜で映像は悪くなかったですが、
フレディーやドッチにも見えているという演出がくどかったのが気になりました。