『ふぉうちゅんドッグす』第14〜20話のごまの「アニメ批評日記」-アニメ討論室
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ごまの「アニメ批評日記」

『ふぉうちゅんドッグす』

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更新:2002-11-29

11.27 第20話「サヨナラさんコンニチワ」

ある街で再会したシーナを愛するシバタが、飼い主である旅芸人アリスの元を去る決心をする、という話。
動物のことを詳しく知らないのでリアリティという部分ではよく分からないのですが、
少なくとも人間的なドラマとしては、飼い主と恋人(犬)との両天秤で葛藤する犬たちの姿がよく描いたいいお話でした。
シバタの身代わりを提案して再確認するところのドッチをギャグっぽく描くなかでの、
「急にいなくなったらアリスが困る」という台詞がシバタの心にズシリとくる、というさりげない描写が上手いです。
恋人を見つけたシバタの気持ちの尊重やシバタを失って寂しがるアリスに、「別れた恋人」という伏線を張っていたり、
アリスの去る駅のシーンが前回再会を逃したフレディーと対照的になっていたり、
と随所に丁寧さを感じさせる作りで、好感がもてます。
残念だったのは、シバタに同情するフレディーの描写。
旧知の間柄だったシーナとシバタに同情するのは分かるとしても、「二人を引き離したら、アリスを許さない」とまで言ってしまうのでは、
これまでフレディーなりに学んできた「犬と飼い主」との関係性というのは何だったのか、ということになってしまいます。
せめてフレディーにもどちらを選べばいいのか悩ませるくらいの描写にして欲しかったです。
とはいえ作品のテーマに絡む名作といえる一本でした。

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11.15 第19話「これがシバタの生きる道!?」

大道芸人と一緒のシバタとフレディが再会、その大道芸人を見に愛ちゃんも来ていて再会なるか、という話。
今までなかったのが不思議なくらいな、かつての「母をたずねて三千里」を彷彿とさせる、
ほんのわずかなタイミングで再会のチャンスをことごとく逃すという展開。
話の組立、演出としてはベタベタにありきたりではありましたが、
間違った方向を教える出店の親父、駅でフレディーの行く手を阻む荷物車という仕掛けが丁寧に描かれていて、
先の展開が分かっていてもハラハラさせられ楽しめました。
動画を使っているシーンが極端に偏ったのかもしれませんが、枚数的に明らかにチープなシーンが多かったのが気になりました。

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11.08 第18話「掘ろうぜ、お宝!」

ひょんなことから化石発掘にフレディー達が参加する、という話。
ハッキリ「失敗作」と言いたいほどの筋立てでした。
いつにも増して強引な展開。遺跡発掘とその周辺の描写にリアリティがなさ過ぎます。
「やってることの意味は分からないけど、掘るのが楽しい(レオン)」
「レオンにとっちゃ、飼い主のあの笑顔がお宝だ(ドッチ)」
という犬の行動原理を示した台詞だけが救いでした。

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11.05 第17話「怒ったマックス」

トムの家にマックスが住み着くことになってもなお、煮え切らない態度をとるポッチ、という話。
前後編の後編という時間をとった回でしたが、
前回同様不満をもらしつつも自己完結して煮え切らないポッチの描写が延々続くだけという印象。
その割にあまり退屈しなかったのは、フレディーやドッチの介入によって、
身も蓋もないドッチのツッコミや、これまで時折見られた無遠慮なフレディーの台詞などがあった為でしょうか。
しかし、時間をとった割には最後の最後にマックスの一芝居であっさり決着がつくだけの話で終わってしまい、
人間と家族との絆の描写を感じられなかったのは残念でした。

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10.28 第16話「落ちこぼれのポッチ」

溺れているトムを助けたことで、雑種?のポッチが飼われているトムの家にマックスが転がり込む、という話。
ペットショップで冷遇されるうちに心の底からひねくれてしまったポッチ、
という描写で純血種をありがたがるペット事情を犬側の視点から取り上げた内容でしたが、
トムと遊ぶとき、マックスと語り合うときのポッチのひねくれ描写に対して、
ペットショップの描写、即ちひねくれた過程がとってつけたような感が強く、あまりポッチに感情移入できませんでした。
むしろ食い意地が張りながら、打算無しで無邪気に遊ぶマックスの方に好感を覚えてしまいます。
レギュラーキャラとして性格などがこれまでに詳しく描かれているおかげでもありますが、
人間に好意的に接してるマックスの姿や、ポッチに語るその理由づけはよく描けていて説得力がありました。
ところでトム一家がポッチを引き取った「ケンネル」は、フレディーのいた「ハッピーケンネル」とは別の店のようでした。
ややこしいので別の名前にすればいいのに、と思いましたがこの言葉自体に何か意味(ペットショップといった)があるのでしょうか。

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10.19 第15話「また逢う日まで・・」

怪盗パンサーだったドン・コロコローネの飼い主に警察の追っ手が迫る、という話。
迫りくる警察の追っ手の緊張感で話を引っ張りつつ、
フレディーとコロコローネや、コッコとマックスと手下のやりとりで楽しませていました。
コロコローネの警察犬コースケに対する態度で、
パンサーを追っ手から巻いたところでは「出来の悪いご主人をもつと大変だな」と振る舞っているのに、
クライマックスでパンサーへの追っ手を妨害するところでは「鼻が利きすぎるのも考え物だ」
となっていたのはキャラクターの統一が出来てないように感じました。
後者のような、人間の行動の善悪(しかも人間の価値観による)を犬が理解している
という描き方を説明なしですべきではないと思います。
本作らしさを考えれば、コースケの「(パンサー)が何か良くないことをしているらしい」
程度の理解度にとどめるべきだったのではないでしょうか。

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10.12 第14話「ドン・コロコローネ参上!」

ペットショップの仲間だったコロコローネと再会する、という話。
前回の予告にあった「愛ちゃん」のカットに新展開かと思いきや、冒頭に登場するだけという肩すかし。
どうやら、愛ちゃんと店長を登場させることで、
フレディーとコロコローネがペットショップ「ハッピーケンネル」つながりであることと、
フレディーの元の名前が「アレックス」であることを喚起させるための演出だったようです。
本編の方はコロコローネが犯罪者の片棒を担がされている状況にちらっと触れて「引き」。
今回はコロコローネが登場してキャラが増えるためか、マックスとコッコが退場。
必然的に増えたフレディーとドッチのやりとりが面白かったです。
寝る前に愛ちゃんの話を聞かせようとするフレディーと、嫌々ながらもフレディーが眠るまで起きてるドッチ、
という描写に、築き上げてきた関係が象徴されていたように思います。
マックスが魚を隠すところは、擬人化の使い分けが益々曖昧になってきていて、面白くはあるがどうかというところ。

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作成:2002-09-17 文責:ごま
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