戦わないばかりか、敵のキッシュとコンタクトをとっているざくろにみんとが戦いを挑む、という話。
仲間の一人が裏切りを疑われる、というネタ自体はありがちなものですが、
「セーラームーン」にはじまる美少女戦隊モノとしては新鮮な印象。
しかし「実は仲間の為を思って」という真相は、
仲間を危険にさらしてまでの行動としては理由付けに説得力を欠いていたように思います。
ざくろ対みんとの戦いは必殺技応酬のみにならなくて、楽しめました。
ハリウッドからの招待でアメリカ行が取りざたされたざくろがミュウミュウ脱退をほのめかす、という話。
「隊をやめる、やめない」というのは戦闘集団を描く作品にはありがちな展開なのですが、
大抵は一話限りで元の鞘に納まる、というシリーズ中におけるアクセント程度の話で済んでしまうところを、
意味ありげなキッシュの姿の挿入によって「敵への寝返り」も含みにもたせながら、
(受け手やいちごたちに)理解不能の行動を見せて次回に引っ張るという演出は上手いと思います。
ただ、ざくろの内面には全く触れられていないため、風呂敷を広げただけという結果もありうるので、
今回の話の出来不出来も次回次第と言えると思います。
海流を使って毒素を東京中にふりまくエイリアンたちの作戦をめぐる攻防、という話。
海流を使うという発想、発動までのタイムリミットなど緊迫感を盛り上げる要素は上手く作っていたのですが、
陽動作戦のコミカルさとのバランスを欠いていて、せっかくの緊迫感演出がもったいなく感じました。
映像の方は必殺技に時間を頼ってはいたものの全体的なクオリティは高く、
かといってハイライトでやりすぎという事もなく、いい感じに仕上がっていたと思います。
波の描写がチープだったのは減点材料でした。
本編ではれたすと白金がメインに描かれますが、れたすが憎からず思っているのは以前からあったので、
そういう意味では本編の展開は筋が通っていて良かったです。
ただシリーズ全体を見渡すと、白金といちごの関係性と今回のれたすと白金の描写を、
全く別個に描いているようなちぐはぐさが感じられるところは改善して欲しいと思いました。