海流を使って毒素を東京中にふりまくエイリアンたちの作戦をめぐる攻防、という話。
海流を使うという発想、発動までのタイムリミットなど緊迫感を盛り上げる要素は上手く作っていたのですが、
陽動作戦のコミカルさとのバランスを欠いていて、せっかくの緊迫感演出がもったいなく感じました。
映像の方は必殺技に時間を頼ってはいたものの全体的なクオリティは高く、
かといってハイライトでやりすぎという事もなく、いい感じに仕上がっていたと思います。
波の描写がチープだったのは減点材料でした。
本編ではれたすと白金がメインに描かれますが、れたすが憎からず思っているのは以前からあったので、
そういう意味では本編の展開は筋が通っていて良かったです。
ただシリーズ全体を見渡すと、白金といちごの関係性と今回のれたすと白金の描写を、
全く別個に描いているようなちぐはぐさが感じられるところは改善して欲しいと思いました。
大道芸のイベントに行った歩鈴が作戦中のタルトと遭遇し、成り行きで地中の空洞に閉じこめられる、という話。
敵同士における恋や友情みたいなものの芽生えを描いていましたが、
本来なら戦いの深刻さからいってあり得ないところを幼稚な子供同士(小学6年というところは引っかかりますが)
の無邪気な戦いぶりを普段から描いていることで成立できていたと思います。
いちご−キッシュの関係と上手く対照的に描けるかどうかは今後次第。
青山とディープブルーの関係という伏線も一歩前進。
青山がいちごの敵にまわるのはありがちではありますが、どのように展開させるか一応期待。
夢を操る特殊能力をもったキメラアニマを使ってパイとタルトが襲いくる、という話。
敵の能力が本編の進行に重要な影響を及ぼすという、この作品にしては珍しい正義の味方らしい展開。
敵であるはずのキッシュがいちごを起こし、いちごが目を覚ましたことによって他の四人が絶体絶命のピンチを脱出する、
というのはアイデアとしては良かったのですが、「こいつ(いちご)を壊すのは僕だ!」という乱入の仕方は無理がありました。
いちごだけは救うようにキッシュがパイに懇願するという方が、キッシュによるいちごへの想いも生かせて良かったように思います。
ミュウアクアの暴走を止めようとして放ったプリングリングインフェルノが逆に東京壊滅のピンチを招く、という話。
何故プリングリングインフェルノでなければならないのか、という疑問を含みつつミュウアクア暴走を作るも、
白金とキッシュのクサい演説合戦、暴走阻止を巡る攻防を経て、五人のパワーを集中するミュウパワーエクステンションによって暴走停止、
と10年前に見たような目新しさに欠ける展開で今ひとつです。
キッシュ側にも正義がある対立構図、相変わらず正体が白金・青山どちらともとれる青の騎士などが救いでした。
後半は、飛び散ったミュウアクアの直撃を「偶然」受けて倒れた青山の看病をするいちごの姿。
意識のない青山に真実を告白して去ろうとしたいちごに、目覚めた青山が「知っていた」と告白するのですが、
青山がいちごの正体を知っているらしき伏線は随所に張られており、いちごの正体がばれる話としては上手くまとまったと思います。
涙を場面転換に使う演出は、いい加減なんとかして欲しいものですが(この作品に限ったことではありませんが)。
他にはディープブルー=青山という伏線らしきものも描かれており今後の注目でしょうか。
あと、白金がミュウアクアをツリーの下に置いていった行動は私には全く意味不明でした。分かる人がいたら教えて欲しいです。
クリスマスこそ青山くんと過ごそうと張り切るいちごが、突如青山くんに正体を隠していることに落ち込む、という話。
いちごが落ち込んで、ざくろが彼女らしい優しさを見せるところをはじめ、
個々のシーンは印象深く作り上げていると思うのですが、
シーン毎の作画・演出がちぐはぐで、バラバラのパーツをつなぎあわせているような違和感を強く感じます。
猫化の症状の悪化を白金に訴えるいちごが白金の過去を知る、という話。
ミュウミュウにさせた白金に対し、させられたいちごが怒りをぶつけるも、
白金の悲しい過去を知り同情することで、自分の置かれている立場を納得する、
といういちごの心の変化を描いていく構成でしたが、意図通りに出来たかというと疑問。
本編を見る限りは「キメラアニマに対する白金の個人的恨み」という部分しか見えてこず、
「無理矢理ミュウミュウにさせられた」といういちごの感情を変化させるには説得力がありませんでした。
白金の過去において「地球を守るための正義」を強調するべきだったと思います。
猫のあるとの正体について伏線がはられていた分、正体が明らかになる今回の展開を自然に感じさせていたのは良かったです。
仕事で多忙な両親に構ってもらえない幼女ももかとざくろが出会う、という話。
ストーリーそのものはこの手の話にありがちなもので、奥行きもなく特に印象はありません。
むしろ台詞の節々において説明的すぎるのがやたら鼻につきました。
枚数的な作画のメリハリと台詞とのバランスがとれてないこともその要因かもしれません。
キッシュが話に介入してくるところは幼女というキャラを使い、導入部として上手くできていました。
この時のももかは細かい動きが描き込まれていて幼女らしさを表現できています。
ただ、その分、戦いの方が中途半端な付け足しっぽくなってしまったのは残念でした。
今回の作画はハイライト多用の「例の人」が登板してきて終始美しい作画を見せてくれました。
しかし、ワンカット(特にアップ)における細かい表情の変化がつけ辛そうなのは相変わらずで、善し悪しというところです。
れたすが、フリマで出会って仲良くなった人形作家・上村綾乃に自身の人形をパクられる、という話。
上村綾乃の作品パクリ事件の伏線として込められた、
上村綾乃のアトリエでの何ということはないシーンのほんの僅かでありながらそれと分かる雲行きの怪しさ、
れたすが全てを承知の上だったという白金の説明の伏線として込められた、
自宅で家族との食事中に見せた複雑な心境を示す表情など、
今回の作品の基調となる雰囲気の演出が見事でした。
絵コンテもその目的に添ったものとなっています。
れたすの歌が流れる人形制作のシーンは、その雰囲気と矛盾を感じさせないように時間を経過させると共に、
キメラアニマ退治後のれたすが上村に優しく救いの手をさしのべる時の理由づけ、
という意味のある使い方で、こういう挿入歌の使い方はなかなか良いと思います。
演出面ではシリーズ中屈指の出来映えと言ってもいいくらいなのですが、
作画の方の完成度がそれに見合うものでなかったのが残念です。