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ごまの「アニメ批評日記」

『電光超特急ヒカリアン』 >> 作品データ

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更新:2003-05-25

2003.05.23 第52話「ヒカリアン レッツゲリロン!」

ラッキーボーイとなったウッカリーをさらったシルバーエクスプレスとの最終決戦、という話。

いかにも押してしまいそうな場所にある基地の自爆スイッチをウッカリーがうっかり押してしまうところなど、
まるで70年代の特撮ヒーローもののテイストを感じさせる「真面目なのに笑えてしまう演出」は、
シリーズ初期には随所に見られた本作の真骨頂という印象で、
シリーズ本編はコメディでも→クライマックス(最終回)はシリアスという
よくあるコメディバトル作品とは一線を画す作りで面白かったです。

テツユキとノゾミが最後の最後に和解することがケンタ達の救出につながる演出も、
前作からのファンへの配慮になっていると同時に作品にまとまりをつける効果にもなっていました。
おそらく「最後は上手くまとめるからシリーズ中はテツユキを徹底的にダーティーヒーローに描く」
というような指示がでていたものと推察されます。

ミナヨがスグル&ソノカを引き連れて宇宙基地まで救援にやってくるところは外しました。
本編では昔のロボットアニメをパロったコスチュームで謎のロボットに乗って表れるのですが、
いつもの格好で「出前のラーメンお持ちしました〜」とやる方が、
緊迫した状況に対するナンセンスなギャグ演出になったと思いました。
もしくはラストシーンを374庵で締めるという方法。

シリーズ全体を見渡してみると、
お間抜けな「ブラッチャーのすごすぎる作戦」をめぐって
ヒカリアン対ブラックのシンプルな構図が描かれたシリーズ初期が特に面白かったです。

脚本:井上敏樹・石橋大助 絵コンテ・演出:大場秀昭 作画監督:高橋充・宇都木勇

本作ではライトニングガルーダ登場以降「大人の事情」が幅を利かせたため、
作品のノリや出来不出来が割とハッキリしていました。
ここではシリーズ初期のノリで描かれたベストなエピソードを選んでみました。

「ヒカリアン」ベストエピソード
第2話B「恐怖のエビチリ」
第3話A「炎のフードウォー」
第4話B「真黒ウエスト」
第7話B「涙のいそちゃん音頭」
第9話A「マジカルセブン」
第9話B「セブン処刑5秒前」
第11話A「ラーメン禁止地帯」
第16話A「僕のおとうと」
第16話B「ブラック男一匹」
第17話A「はるかなる水平線」
第17話B「正義とは?」
第19話「ヒカリアンブラック」
第24話A「オレ様応援団」
第38話「大怪獣VSヒカリアン」
第39話A「歳末福引大作戦」
第43話A「自由の国から来た男」

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2003.05.01 第49話「パラレルミステリーツアー」

ケンタ&ウエスト、スグル&ブラック、テツユキ&レスキューの3組が別の目的で無人のヒカリアン本部に潜入する、という話。
スグル組とテツユキ組はヒカリアン本部の謎の構造で無限ループ、
扉を挟んでスグル組と鉢合わせしたケンタ組は幽霊と勘違いして逃げたり戻ったり、
という展開を何度も繰り返すという、70年代のギャグアニメにありそうな不条理な展開で、
映像は全く同じもののバンクというチープな作りであるのが却って下らない面白さを演出しています。
お地蔵さんが何かのギミックと思わせぶりだったのに解明されずじまいだったのは意図的とはいえ残念。
オチは最初から見えてましたが、本部長の情けない演技がいい感じで良かったです。

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2003.04.16 第48話「スター千一夜」

ラピートとライナーの二人が、しばしば凶暴化するスターの根本原因を絶って正常化させる、という話。
カッパか天狗で二つのバージョンがある凶暴化したスターは、
本作のシリアス編によく関わってくるキャラクター。
それを正常化させようというストーリーであるからには、
シリーズ上重要な位置づけとして演出されてもおかしくないのですが、
今回においては真面目な救出が試みられているにも関わらず、
どことなく和やかなムードが全編に漂っていて、本作らしさが良い方に出ていたと感じられました。
ラピートとライナーの名(迷?)コンビという組み合わせの妙が一つの勝因であると思われます。
本編を彩る凶暴ヒカリアン&ケンタ、「訳の分からん武器」は爆笑モノ。
ブラックは元々バラエティに富む性格なので今回のキャラデザでは今ひとつの印象でした。
余談ですが、ラピートとライナーはどちらも空港特急なんですね。

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2003.03.12 第46話「ヒカリアンと魔法のランプ」

マジンダー流星群が見上げる夜空の下に、三度まで願いを叶える魔法のランプが落ちてきた、という話。
魔人ダーZによって叶えられる願いは「それぞれランプをこすった人」ということにして、
ランプ争奪戦を過激化させたのがちょっとしたアイデアでした。
ただ、それぞれの願い事はありきたりで面白さとしては「まあまあ」というところ。
「既にアイドルだから」というミナヨのランプのありがたみ放棄も目新しさに欠けます。
もうちょっとケンタくんやウエスト、ノゾミ、E4あたりを前面に出した方が面白くなったのではないでしょうか。
個人的にはドジラス&ウッカリーと対向通過するキハ283系気動車(JR北海道)や、
アイドル・ミナヨの劇場版「マクロス」のパロディ、
コンサートの古くさいレーザービームなどの芸の細かいネタがツボでした。

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2003.03.07 第45話「時計じかけのブラック」

時を遅く進ませる時計と、速く進ませる時計を使ったブラッチャーの作戦、という話。
SF考証が見受けられない時計の効果は、思いつきで作ったとしか思えないやっつけな作りで、テンポも間延び気味でしたが、
「親分は暇なんだよ」「つゆだくで」「あんぽんた〜ん」など、
不意打ちのように随所に発せられるボケとギャグが面白く、全体的には楽しめました。

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03.02 第44話「遊星からの有精卵Pi」

ユーロ男爵がもってきた有精卵が孵り、凶暴なひよこが生まれる、という話。
ヒカリアンたちの女装(ウエストの女装声イカス)など以前にもあったネタを絡めつつ、
「凶暴なひよこ」というナンセンスな雰囲気で事態をガルーダ出撃にまでもっていくのが下らなくて良いです。
映像的には、通常のバンクカットに加え、同じ映像をループさせる手法が頻発していたのが気になりましたが、
敢えてチープさを醸し出すための演出上の挑戦かも、思ってしまいましたが多分考えすぎでしょう。

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02.19 第43話「自由の国からきた男」「空白の月日」

ヒカリアンAHRを率いるテツユキがアメリカからやってきて元親友のノゾミやミナヨとやりとりする、という話。
アメリカ移住→不良→ヒカリアンと共に更正→ただし拝金主義
という前作の主人公テツユキの変わり果てる過程が今シリーズらしい馬鹿馬鹿しさで描かれていて面白いです。
テツユキの変わり様にやつれてしまうノゾミの描写も良かったです。

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02.01 第42話「永遠(とわ)の眠り」

シルバーエクスプレスの「暗黒の傘作戦」やガルーダ対ヒカリアンXとの決着がつく、という話。
「暗黒の傘作戦」の方は、ブラックが食べていたラーメンの汁によって機械が壊滅的打撃を受ける、
という、374庵ブラジル支店とブラックの休暇という伏線によって収拾。
ガルーダ対ヒカリアンXの対決も、ヒカリ元隊長が現れて決着。
と、キャラクターを適材適所に配置して壮大な話としてまとめたのは面白かったです。
ヒカリ元隊長やテツユキ君という前作のキャラが窮地を救うというのも、
前作を知る人にとってはうれしい演出です。
欲をいえばミナヨとテツユキとのちょっとした絡みも欲しかったところですが。
全体的にはきれいにまとまったという印象です。

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更新:上記参照 作成:2003-02-08 文責:ごま(goma)
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