全話の評価 ★★★★ 公式のあらすじ
ヘナモンカゼの混乱に乗じて人間界進出を目論む霧一族と霞家の対決、という話。
演出面では、桜の花びらを食べさせる霞家の住人達や霧間への仙太郎の主張に、キャラの個性が良く出ていたのが印象的でした。
ただシリーズ全体として今回の最終回を見ると、
雪乃とカスミの関係性をひたすらメインで描いてきて、霞家と霧一族の対決を最後にもってきたのは工夫ということなのでしょうが、
第13話「カスミ、霧の者になる」を伏線的エピソードとしてみても唐突な感が否めず、シリーズを続けるためのシリーズという域は出てなかったと思います。
とはいえ、今回の霧間に対する仙左右衛門の主張はこれまでの全シリーズでの積み上げを感じさせるものでしたし、
第5話のような屈指のエピソードも見られたので、それなりに満足のいくシリーズだったと思います。
脚本:吉田玲子 絵コンテ・演出:本郷みつる 作画監督:高橋英樹
全話の評価 ★★★ 公式のあらすじ
志麻たちのがんばりによって、人類に危機をもたらしたコズミックフラクチャーが予定通り消滅する、という話。
後述するシリーズの大筋もそうですが、特に人間の内面的部分に関する描写が終始ご都合主義でした。
志麻が能力を開花させていくところを中心に描いた前半については、前半各話の批評を参照のこと。
後半では、能力的な壁につき当たった志麻が強情をはったことが原因で、彼氏になった光太とギスギスした関係を続けつつ人類最大の危機という局面にむかっていきます。
光太に対して強情な態度をとり続けたり、ステロタイプな恋愛観を見せるのは部分的に見れば別に問題ないのですが、
自分の能力に対して、また割と仲良しだった光太に対してもマイペースののんびり屋だった前半と合わせると、
まるで別人かと思える程、整合性が全くとれていません。
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脚本・絵コンテ・演出:佐藤竜雄 作画監督:高見明男
全話の評価 ? 公式のあらすじ
第1パプワ島を壊滅させたコタローが長い眠りから醒めガンマ団を脱出、パプワくんや元団員リキッドが生活する第2パプワ島にたどり着く、という話。
原作は柴田亜美の「月刊少年ガンガン(スクエアエニックス)」連載漫画。前作アニメ終了10年を経てのアニメ化。
不条理な出来事が主人公(コタロー。前作ではシンタロー)以外にとってはごく普通の日常である世界観と、
そこで繰り広げられるシュールなキャラによる馬鹿馬鹿しいギャグで笑わせる。
コタローが怪鳥と見つめ合った後くわえられるところや、「十円キズつけちゃえ」「やめなさいナマモノたち」のやりとり、パンツを握りしめたリキッドの一人芝居など、
本編に散りばめられているネタの数々を見ると、前作同様の笑いを目指しているようで、
少なくとも脚本段階においては達成されていると思うのですが、完成品を見ると印象は今ひとつでした。
ネタ自体は馬鹿馬鹿しいだけに、演出や演技によるテンポ、ノリの良さといった勢いで押し切ることが重要だと思うのですが、
演出のテンポは間延びしすぎていて、演技の方は各々まだまだ弾けきっていないようでした。
脚本:井上敏樹 絵コンテ・演出:西田健一 作画監督:中島美子
全話の評価 ★★★★☆ 公式のあらすじ
ジェッター星とボンバー星の衝突30分前、という話。
最大の見どころは、シロボンをはじめジェッターズやジェッター星・ボンバー星の人たち全員がマイティの最期の映像を見るところ。
普通、こういうシーンはどうしても空々しさが前にきてしまうのですが、
本作はマイティのとぼけた性格、それをシリーズ中でしっかり印象づけたことで一切打ち消すことに成功していました。
映像的にもマイティの前・後ろ・横と多方向からの視点で描くことによる立体感で、マイティの映像と食い入るように見つめる面々というその場の臨場感が出ていたと思います。
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脚本:前川淳 絵コンテ・演出:小寺勝之 作画監督:香川久
全話の評価 ★★★☆ 公式のあらすじ
神界への帰還を決意し黙って姿を消したロキを繭良が探す、という話。
ストーリー自体はオーソドックスなものでしたが、
繭良の知らない覚醒ロキとのやりとりをはじめ、鳴神の人情深さ、大和撫子ラブのフレイなどを上手く絡ませて手堅くまとめていました。
「神界に帰ってもロキの居場所がない」という闇野の台詞がラストの展開への説得力を持たせていましたし、
最初の頃にあった繭良の母のエピソードを伏線とした繭良の言動で話の膨らみを増していたのも好印象でした。
何より、キャラが立ったレギュラー陣というシリーズ全体での積み上げが大きく功を奏していたと思います。
ノルン三姉妹からヘルのシリーズへと移行するなかで繭良の存在感が希薄になっていたのが唯一惜しい点で、
ここをクリアできていれば最終話の印象も更に良くなったと思うのですが。
とはいえ本編においても、物足りなさはあるも不快感を与えず、シリーズ全体として奇麗にまとまったという印象です。
脚本:金巻兼一 絵コンテ・演出:松下ユキヒロ 作画監督:奈良崎早苗