全話の評価★★★ 公式のあらすじ
コスモス荘の住人で夏祭りに行こうとしている中、自分も一緒に行きたいと願う栗華が体験した摩訶不思議な世界、という話。
映像が実に素晴らしいです。
鈴雄達住人それぞれの幼少の時代を栗華が体験しているという状況における、不思議でいてノスタルジックな世界という表現ができていました。
動と静のメリハリも良く、全体的にスローな時間の流れを美しい作画でしっとりと見せる一方、
街頭で栗華が変身して戦うシーンの駆け足からキックへの流れは、動きで楽しませるアニメ映像になっていました。
栗華が瑠璃を追いかけていって路地を曲がると、栗華の視点にパッと切り替わって風景が変わる表現もテンポよく決まっていて面白かったです。
しかし今回も素晴らしかったのは作画面のみでした。
博士の実験を引き金に、夢うつつの世界を漂流、夢で見た約束の浴衣が届くというオチ、
と一応の大筋は話っぽくなっているのですが、
肝心の夢うつつの一連のシーンに一本通る筋がなく、要は夢の聞かせ語りをされているだけの展開。
以前もどこかで書きましたが「他人の夢の聞かされ」は根本的に面白くないもので、
いくら美麗な映像といえど、それだけで長時間引っ張るのは無理があったと思います。
夢の不思議感を重視した意図によるものなのかもしれませんが、
徐々に謎が解き明かされるなど何か一本筋を引いて受け手の興味を引いた方が、
却って夢の世界の栗華に感情移入でき、動きのあるシーンもワクワク楽しめたと思います。
脚本:佐藤和治 絵コンテ・演出:笹島啓一 作画監督:小笠原篤
全話の評価 ★★★☆ 公式のあらすじ
「カルヴァリオの秘石」の発動で人類を滅そうとする曳士と、それをくい止め妹・光流を取り戻そうとする戎との攻防、という話。
戎と明日香が(何故か裸で)キスしようとする「あのED」を毎度毎度見せられていたおかげか、
「どんなにクサいラストでも許す」というか、いかに二人のハッピーエンドにもっていくか、
期待させる流れだったと思うのですが、肩すかしのようなラストでした。
映像的にも、戎と曳士の戦いを光の線で表現したり、エピローグを止め絵で示したEDなど、
工夫というより枚数的に苦しいという印象の方が先にくる作りでした。
「きっと戎は帰ってくる」と信じる明日香と光流とのラストシーンも、EDの後にもってきた方がしっくりした形で終われたように思います。
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脚本:千葉克彦 絵コンテ:横田耕三 演出:下田正美 作画監督:浜津武広