『カスミン』第2期 第1〜7話 ごまのアニメ批評日記
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ごまの「アニメ批評日記」

『カスミン』第2期

第1話 〜 第7話 : 第8話 〜 第13話第15話 〜 第19話第22話 〜 第26話
更新:2002-12-03

12.02 第7話「帽子男、企む」

カスミの預かってる鍵を帽子男があの手この手で奪いに来る、という話。
大事な鍵を預かっているカスミの責任感や、鍵を持ち出した竜ちゃんの罪悪感など、
教訓的なテーマを内包しつつも嫌味を感じさせない一出来事的内容に仕上げ、
その上でカスミの心情をしっかり描けていたのが良かったです。
やはりというか、特に帽子男のキャラクターが大きく貢献しています。
占い師を装うところで「大事な物と言えば鍵を持ってくるだろう」という笑える単純思考など、
相変わらずいいキャラクターです。
どうでもいいことですが、竜ちゃんが鍵を持ちだしたことを伝えるシーンでデジガメ一人が出てきたのは、
帽子男と二役の藤原啓治つながりを狙った遊び的演出かと思いました。

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11.27 第6話「霞家、学校へ行く」

カスミのクラスで行われる授業参観に、ヘナモン揃いの霞家から誰が行くか、という話。
良く言えば、とてもオーソドックスな話。オチも質実剛健といえるほどあっけないものでしたが、
「カスミを居候させるなかで起こる、本当は自ら禁じている人間との交流」
という作品の基本コンセプトを地でいく話とあっては、むしろ工夫不足のように思えます。
入れ替わりで立候補する霞家の人たちの描写も取り立てて面白いものではなかったですし。
強いて挙げれば仙太郎さんですが、白いスーツで着飾るのは過去の話からいってもらしくないです。

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11.08 第5話「桜女、たたかう」

商品の乾燥機能付洗濯機を目当てに町内の腕相撲大会にカスミンと霞一家が出場する、という話。
どこまでも何かに遮られるユリの説明によって分からなかった「実は2位の商品」という真相でによって、
カスミンが肩すかしを食わされるという基本設計はよかったのですが、
「洗濯機は欲しい。でも勝ちたい」の「でも」にいまいち説得力がなかったように思います。
同じ展開なら「わざと負けるのはいけない事」という価値観を学校の授業なりで植えつけた方が良かったのではないでしょうか。
各キャラクターの行動が性格設定とピッタリあっていたのは好印象でした。特にユリ、蘭子あたり。
あとサブタイトルが内容と合ってないような気がします。

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11.02 第4話「あらいさん、連れ去られる」

お泊まりに来るカスミンを迎えにきた楓についてきた、楓の妹るなとなるによってあらいさんが再びさらわれた、という話。
何故か、冒頭から楽屋落ちして登場するあらいさんによって語り仕立てで進行した今回の話。
その理由は主人公のカスミンではなく、あらいさんを主体に進行するというのもありますが、
カスミン達のお泊まりシーンを本編に絡めることができなかったから、というのが真相でしょう。
語りによってカスミン、あらいさんのシーンをつなぎ合わせて進行させたものの、
カスミンのシーンに何の意味もなかった点はいかんともしがたく、面白さ半減の印象もやむなしでした。
ホストの楓がわざわざ迎えに来るのも意味不明で減点材料。
あらいさんのキャラクターが立っていることが唯一の救いで、
るな&なるが本当に反省した後の踊りのシーンは心なごませるものがありました。

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10.25 第3話「ドグウちゃん、アイドルになる」

ハニワ夫人の姪のドグウちゃんが家出して霞家にやってきた、という話。
かわいい(?)ことを鼻にかけるヘナモン美少女ドグウちゃんのアイドルを目指す生半可な気持ちを正す本筋に、
ご丁寧にもカスミンの学校の授業で「将来の夢」を絡めた、いかにも教育的お話。
それでもアイドルレッスンをするアライさんやデジガメに、キャラ設定としての嘘っぽさがないことで、
退屈せずに見ることができました(蘭子さんのピアノは付け足しっぽいですが)。
珍しくハニワ夫人にほめられるカスミンの説教に対して、
カスミンそっちのけでドグウちゃんを慰めるポトポット達の描写は、
ヘナモン美少女をちやほやしているということを差し引いても違和感がありました。

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10.19 第2話「カスミ、キャンプをする」

霞家の敷地内の森でカスミと友人一同がキャンプをする、という話。
きっかけはヘナモン探索をもくろむシカオの強引な発案で、
ヘナモンのことがバレる、バレないという、この設定においてはありきたりな緊張感が本編の主旨と思いきや、
それを演出上の一要素にしておいて(これだけでも一本つくることは十分可能)、
カスミとかえでの一悶着を本編にしたのが内容を充実させる上手い作りでした。
仲直りするところはヒネリのないご都合主義ともとれますが、
ふとしたことで始まった子供のケンカの収拾としてはリアリティを欠いてはいませんし、
オバケ(=ヘナモン)の正体を隠すために「実は私たちが」と現れた霞家一同
という演出との組み合わせによってきれいにまとまっていたと思います。
霞家一同の行動は正体隠しとカスミの保護を兼ねていたというのも上手い演出。
今回の話は、無難な出来に満足せずに更に上を目指した作り手による秀逸な出来でした。

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10.07 第1話「ヘナモン、走る」

ヘナモン保育園で行われる運動会にカスミが出場する、という話。
半年前に終了した作品の第二期シリーズで、何の追加・変更のない純然たる続編。ゆえシリーズの粗筋は省略。
今回は、学校の運動会を前にした授業で快走ぶりをみせたカスミが、
「足が遅くて・・」とこぼすヘナモンのコーンに「私も遅いから」と嘘をついて元気づけたところ、
自分もヘナモン運動会に出場する羽目になって嘘がバレそうで困るという展開。
前シリーズでも度々悩みを相談していたバーで「嘘をついたことより、後の始末が大事」、
という言葉をもらう説教じみた前フリにしておきながら、
ヘナモンの足は全体的に速かったので嘘にならずにすみカスミが安堵し、
そのまま競技の方になだれこんでうやむやになるという展開に拍子抜け。
作中でマスターに語らせたように、
事実がどうかということより、カスミの気持ちを大事に扱うことがあるべき展開ではないでしょうか。
競技終了後の食事時間でカスミに「実は」と告白させた方が、
重い雰囲気になることもなく、物語としてもスッキリしたと思います。
作画の方では、美しい背景の割にキャラクターの描線が汚かったのが気になりました。

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更新:上記参照 作成:2002-10-08 文責:ごま
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