伊角対越智の決着。そして越智が感じるヒカルへの驚異、という話。
伊角の復活は、越智の挑発によるものでした。
であるなら、伏し目がちだった伊角が突如目を見開くという描写だけではなくて、
もう少し感情の変化を表すものが欲しかったです。
今回は越智を軸にヒカルの成長ぶりと実力の程が上手く表現されてました。
復調した伊角に負ける越智。その伊角に勝っているヒカル。
そして伊角からヒカルの成長ぶりを伝えられる越智。
という構図を描くことで越智のヒカルに対する驚異の気持ちがよく伝わってきました。
海王中顧問の先生からヒカル対洪の棋譜が塔矢アキラの元に送られ、
それが越智に伝わることで驚異をさらに盛り上げてるのも良かったです。
ヒカル対伊角の対局はヒカルの反則勝ちとなって、その後の二人の展開、という話。
実は最初の数分を見逃してしまいました・・。
次回予告で気になっていた佐為の台詞ですが、
次の対局のときに「反則勝ちによる後味の悪さを引きずったことによる変調を憂いていた」
とフォローされてましたので一応良しなんですけど、
反則勝ちに至るシーンでそれを匂わせていたかどうかが気になります。
わざわざ一敗(トータル二敗)を喫するまで佐為が助言しなかったのは、
真にヒカルの為を思って、という描写でしたが個人的にはもう少し強調してほしかったところ。
さて展開の方は、後味の悪い結末を「ヒカルは負けていた碁を拾ったということ」で、
伊角は「勝っていた碁をみすみす落としてしまったということ」で、
それぞれ次局以降に引きずっていくところを描いています。
伊角の方は和谷や越智の台詞によって、その様が強調されているところが面白いです。
その伊角はラストで自分を取り戻したかのようで、
対局は次回に続きますが、越智の挑発で目が醒めたというような単純な展開でないことを期待。
一敗のヒカルが、今のところ無敗を走る伊角と対局する、という話。
伊角と越智の会話や、伊角の回想など、
全編をとおして描かれる、ヒカルの強さ、成長ぶりが、
対局中の伊角のプレッシャーを感じさせる演出要素としてよく働いています。
そのプレッシャーがクライマックスの魔の一瞬に上手くつながってました。
対局は次回に持ち越されますが続きが楽しみです。
しかし次回予告の佐為の台詞は、ちょっと納得できないのですが、どうなのでしょう。
それも次回のお楽しみ、ということにします。
一敗を喫すも快進撃を続けるヒカルと、それが気になってしかたがないアキラ、という話。
勝敗の面でのダメージだけならず、精神面のもろさを露呈することにもなった相手、椿との対戦。
その直前や昼食休憩でのヒカルと椿の会話に、
ヒカルの精神面での成長が描写されているところが良かったです。
欲をいえば、椿との対戦そのものでも(それに驚く椿の描写で)
ヒカルの成長を描いてくれば更に良かったと思います。
プロ試験の本戦が開始。ヒカルが6連勝と快進撃を見せる、という話。
今回は対局そのものの緊張感はなかったものの、
飯島、伊角、和谷らのやりとりなど、ヒカルの周囲の描写により、
ヒカルの成長ぶりや強さが上手く描かれていました。
職員の視点からプロ試験の雰囲気が説明されるのも良かったです。
洪秀英との対局、という話。
秀英に押され気味のなかの中盤に放ったヒカルの一手は、
秀英も周りにいたギャラリーも全員(佐為以外)悪手だと思っていたのが、
実は遠い先の展開を見据えた好手だったということを軸に盛り上げてました。
今回特に思ったのですが、盤上をリアルに再現することにこだわるよりも
ヒカルの放った「一手」が常に分かるように色を変える(点滅させる)とか、
盤面に色を被せるとかして少しでも局面の状況・雰囲気が伝わるような
工夫を凝らした方が良いのではないでしょうか。
ヒカルの失礼な発言から、洪に無視されつつも対局にこぎつけ、
いざ対局開始というところまでは盛り上がったのですが、
直後の回想シーンが、半ば前後編にするための無理矢理という感じの挿入で萎えました。
挿入どころとしては間違いはないとは思いますが、
アニメーション描写が、枚数も少なくてコンテも単調と、
いかにもやっつけな作りだったのが元凶です。