リルムが学校で習ってもいない「妖精占い」に凝りだし、
それによって一騒動、という話。
それ自体に突き抜けたインパクトはなかったのですが、
演出の上手さで個々のシーンを盛り上げることで、
全体を通して笑える話になっていました。
今回、特に良かったのは「受け手の意識の流れ」を考えた演出。
象徴的なのがチョコアイスシューがペンキまみれになってしまうシーン。
看板屋が作業している傍でシューの箱を開くことで、
看板屋絡みで何かが起こりそうな予感をさせ、
何事もなく食べはじめて「あれ?」と思いきや、実はシューの中身がなかったという展開。
そこへ「天の助け」とばかりシューをもって現れた結木がペンキまみれになる、というオチ。
受け手の意識を二転三転させています。
もちろんそれに気づかないであろう小さな子供であったとしても、
それはそれで楽しめる作りとなっています。
またこのシーンの少し前、楓がシューを手にいれるところも、
楓が姿を見せる前に、店員の「売り切れました」という台詞を入れることで、
微妙に受け手の意識をずらしていることがちょっとしたアクセントになってました。
妖精カードの力を知ったヤシチが安純の部屋に行くシーンは、
これまでの待遇に加えて、今回も雑用をやらされる念の入った前フリによって、
「ヤシチが何らかの報復をするだろう」との予感を意図的にさせた上での実行、という演出です。
リルムが妖精カードに魔法をかけるシーンは、
シーンそのものが上のヤシチ同様の演出意図をもっています。
即ち、リルムの魔法は常に「失敗すること」を前提にしているということです。
したがってリルムの魔法バンクは失敗を強く予感させるため、
今回のように「変な気合い」が描かれるフルバージョンにするのが正解です。
ヤシチによるミルモへのとどめを阻止するところでは魔法バンクが省略されていましたが、
これは妖精カードを暴走させるための、演出としては苦しい使い方(普段なら殴るはず)なので、
こちらはテンポ優先でいいと思います。
その他、笑えるネタとしては、冒頭でのワルモ団の映像メールから、
ハンゾウとサスケによる「足の裏くすぐり」「おやつ禁止」「400万倍カレー」という「ワルモ団のお仕置き」想像、
「魚と仲良くなる」という回りくどい報復、ストーカーっぽい松竹、
楓の「クェックェッ@どおくまん & シェー@赤塚」風踊りなどなど、今回も満載でした。