アニメコラムクラッシュギアT
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アニメコラム集

各話

ギアファイトは意外と面白い!
第5話 トビタクラブの危機
第7話 兄からの贈り物
第8話 タコ焼きバトルロイヤル
第9話 ジロウの古傷
第10話 天才は天才を呼ぶ!
第11話 勝利にかける執念
第16話 それぞれの闘い!
第17話 恐怖のイリュージョンマッチ!

激闘! クラッシュギアT 2001/10/25

ギアファイトは意外と面白い!

ストーリーは
クラブの万年補欠候補の主人公・コウヤが、選手が次々と移籍してしまったそのクラブで
メンバー集めに奔走しつつ大会をめざすというもの。
最初弱い主人公が戦いをかさねるうち強くなっていくという、この手の作品の定番。

作品の設定などをみると「レッツ&ゴー」「ベイブレード」などを思い浮かべる。
おそらく同じイメージで、見ることを敬遠した人も少なくないのではないだろうか。

この手の作品は、
スポンサーとなる「実物のおもちゃ」との関係性が高い。
「メインのバトル=実物のおもちゃ」だからだ。
ぶっちゃけた話「おもちゃが売れるように。あるいは売れないことのないように」
作らなければならないという制約がかかることになる。
バトルにまつわる部分にあまり変に力をいれて、
そちらの方に目を奪われても困るということである。
バトルやそれにまつわる部分に力を入れ、
それ以外のストーリー展開などはありきたりなものにしてしまうのが無難な作り方となる。
主人公の性格なども
「少し頭に血がのぼりすぎるきらいがあるものの、真っ直ぐな性格の熱血漢」
とするのが無難ということになる。
「メインのバトル=おもちゃ」に興味がある人ならばそれでもよいが、
そうでない人は先に述べたように敬遠してしまう。

ところが本作は違った。 まず惹かれるのが主人公のキャラクター。

性格は自分に素直というかわがままで無神経である。
例えばチームの仲間に誘った実力者(当然実績も実力も主人公より上)
に断られたときの台詞が「なんだよ。せっかく能力を評価してやってるのに」であったり、
バトルの最中、相手方がダウンし相手が「立て」といったら、
すかさず「立たなくていい」と叫ぶのである。
これら主人公にあるまじき言動が多々あるのだが何故か憎めない。
エゴのかたまりという性格であるも、勝負にかける情熱と執念だけは目をひくものがあり、
まわりの人が巻き込まれてしまうのである。
そして見ている私たちもその絶妙のバランスに引き込まれるのだ。

その他、主人公の仲間になっていく面々も個性派揃いで、
それぞれのキャラの動きや主人公との絡み、
チームのメンバーとしての掛け合いに楽しみがもてる。

その一方で肝心のギアファイトも上手く描かれている。
本作ではギアファイトに入ると通常の2Dから3D画面に転換する。
「ギアファイトは3D、それ以外の全てのシーンは2D」とハッキリ分けられているのは、
3Dの使用法としては「FF:U」と違って転換がハッキリしていて
違和感を感じにくいという有利さがある。
更に通常の3D画面への移行に工夫を凝らしていて、
違和感をより感じにくくさせようとしている姿勢は評価できる。
ちなみに3D部分は「電童」と同じ人が担当している。

全体的な構成や演出も丁寧になされており安心して見ていられる。
まだはじまったばかりで、
今は「仲間集め&そのキャラの紹介」というところが話の中心なので、
話が進むにつれ大会の中でのギアファイトだけになってしまうおそれは多分にある。
そうなるともったいない。
ギアファイトをしつつも今の面白さを維持して欲しいものである。

( 更新:2001年10月25日 文責:ごま )
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