アニメコラム「フルーツバスケット」3 ナビゲーション部分を読み飛ばす

アニメコラム集「フルーツバスケット」3

各話

第十七話・・・
第十八話・・・
第十九話・・・
第二十話・・・
第二十一話・・・
第二十二話・・・
第二十三話・・・
第二十四話・・・
第二十五話・・・
最終話・・・

第二十五話・・・

放映日2001年12月20日

封印を解かれたことにより、夾が醜い姿に変身してしまった。
猫の呪いを受けたものだけは普通(?)の変身の他に醜い姿にも変身するのだった。
それを透に見られたことで、夾はその場を走り去る。
透はそれを追いかけるが途中で嘔吐してしまい、追いかけられなくなってしまった。
更に突如あらわれたアキトが透に追い打ちをかける。
「草摩家にいる資格はなかった」と、透は母が眠る墓の前でくじけてしまうが・・。

紫呉の台詞でところどころ省略して喋るところや、透が嘔吐するところなど、
直接言葉に現れない部分での演技で、
役者の演技の拙さがモロに出てしまった印象を受けました。
演出自体は良くできていただけに残念です。

あと、降りしきる雨が全体の雰囲気をうまく醸し出していたのは良かったのですが、
雨の音が大きすぎて台詞が聞こえ辛かったです。
音響さんの仕事でしょうか、音関係はこれまでずば抜けて良かっただけにこれも残念。

今回は全体がシリアスで進行するのですが、
これまでギャグをはさみつつ世界観をキッチリ描き込まれていた分、
シリーズ終盤でシリアスオンリーに移行するときにTVシリーズにありがちな
「別の作品のよう」という違和感を感じさせることなく
見られたのは良かったです。

最終話・・・

放映日2001年12月27日

花島(と魚谷)の後押しもあり、透は遂に醜い姿となった夾に向き合う。
それでもなかなか言葉をかけられない透から夾はまた逃げ出そうとする。
そこへ由希がやってきて身体をはって夾を制止する・・。

前半は醜い変身をさらした夾をめぐっての、
透・夾・由希が真に心を通い合わせる話。
後半は全ての元凶(?)であるアキトと透との対決の話。
という2部構成でした。

後半のお話が締めくくりにくることは予想通りだったのですが、
1話の半分だけという時間配分に物足りなさを感じました。
おそらくは二十五話で描かれた話の続きを最終話にもってくることで、
透・夾・由希の心の結びつきがこの話のメインであることを
主張したかったのでしょうが、
それ故に透対アキトに割く時間が減り、そちらの話が盛り上がりに欠けたと思います。

更にいうと、草摩本家での夾・由希の行動には不可解なものを感じます。
透がアキトと会う重大性を二人が理解できてないはずはないのに、
夾は大人しく外で待っているだけ、
由希は透に手を上げたアキトを黙って制止するだけでした。
せっかく前半で透・夾・由希について描いたのですから、
入れないまでも侵入を試みて阻止される、或いは外から何か言う夾、
アキトに対して透のことを弁護する由希という描写があってもよかったと思います。
おそらく後半は主人公の透にスポットを当てることを強調する意味
(アキトに対する恐れもあるのでしょう)で、
周りのキャラには何もいわせなかったのでしょうが、
由希が弁護→アキト「黙ってろ」→透「お気遣いはうれしいが結構」
という流れにすれば主人公としての透の顔もたっただろうし、
前半の展開も生きたと思います。

前半は、向き合おうとする透、本当は向き合いたいが逃げようとする夾、
助けようとする由希、というそれぞれに役回りを割り当てて、
透・夾・由希という広い意味での主役三人を描ききったところが良かったです。
その際、これまでのお話に散りばめられていた印象深い台詞を
もってきてたところも盛り上がる要因になっていたと思います。

前回も書きましたが、全体的にはギャグをふんだんに使いつつも
シリアスなところはキッチリ描き込んで世界観を作り上げていたと思います。
それによって最終2話に関しても違和感なくスッとお話に入り込め、
最後も少し不満はあるものの自然な形でまとまったと思います。

( 更新:2001年12月30日 文責:ごま )