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アニメコラム集「コメットさん☆」

各話

第31話 マネビトさんがいっぱい
第32話 ノコシタオバケがやってくる
第33話 時には女王のように
第34話 星の絆
第35話 雪のダンス
第36話 みんなの王子様
第37話 いたずらキューピト
第38話 キモチの遭難
第39話 サンタビトになりたい
第40話 輝きをなくしたケースケ
第41話 タンバリン星国の誰かさん
第42話 さよならの仕方
第43話 瞳に写る輝き

第31話「マネビトさんがいっぱい」

放映日2001年10月28日

パパ不在の中、ママが寝込んだため
家事全てをしなければならないコメットさんは、
「星力」に頼らずにそれをやりとげようとする。

魔法使いが魔法に頼らずに・・というのは
魔法絡みの作品としては考えられる話ではあるが、
今回も演出の良さで魅せてくれた。

もともとこの作品では「星力」が一定時間においては有限に設定されており、
コメットさんがあまり「星力」に頼りすぎないよう条件づけられている。
今回においては、実は「星力」がただの便利な力ではなくて、
がんばっている人に星の方から力を与えてくれるものだということが描かれた。
タンバリン星国の二人のお話の際にも少しふれられていたのだが、
魔法の使用に条件をつけている事と、それをあまり目立たないよう描いている事は特筆もので、
それで視聴者をちゃんと納得させているのは上手いと思う。

コメットさんは最後まで自分から「星力」を使おうとしなかったのだが、
星の方から力を与えてもらったことでマネビト(分身)が出現し、
コメットさんががんばった分助けてもらった結果となった。
一方では、マネビト(分身)をたくさん作って最初から楽をしようとしたメテオさんを描いており、
両者を対比させることで、「がんばることが報われる」という臭いこと極まりない内容が、
きれいにまとめられていたと思う。
その際メテオさんの方も、店番で半ば必然的(でも半分は自主的。ここのところのバランスも絶妙)に
がんばったという描写はニクイ演出であった。

個人的には、メテオさんが演出上いいように弄ばれているのがかわいそうに思う(笑)

第32話「ノコシタオバケがやってくる」

放映日2001年11月4日

幼稚園の昼食でピーマンを残してしまったネネちゃんは、
ツヨシくんをはじめみんなに「ノコシタオバケがくるぞ」と脅かされる。
すると絵本の作り話のはずのノコシタオバケが
どういうわけか本当に現れてしまう・・。

メインのストーリーそのものはなんでもない話なんですが、
ツヨシくん→パニッくん→メテオさんという話題の伝わりから
ノコシタオバケが具現化するところや、
コメットさんがツヨシくん・ネネちゃんに読んであげたいた
絵本「北風ピープーくん」を絡めるところ。
また、丁度お父さんが帰ってくるタイミングにこの話をもってきたところなど
(というよりこのタイミングだからこそ作った話か)
うまくはめこまれたパズルのような構成の上手さを感じさせ、
退屈せずに見ることができました。
絵的にはオーソドックスで特に発見はできませんでしたが、
目や口の動き、特に目の微妙な配置で視線の表現ができていたのは
いつもながら良いところだと思います。

「難攻不落の要塞におけるありがちなミス」や「実はツヨシくんもピーマン残した」
「北風ピープーくんを忘れてた」は先が読めるネタなんですけど、
他が良くできてるのとオチのつけ方がまとまってるので、嫌な気にはならないです。

ところで、結局ノコシタオバケを具現化する直接の引き金を引いたのは
ラバボーだったりするんですよね(笑)

第33話「時には女王のように」

放映日2001年11月11日

バトン大会に参加しようとするコメットたち。
メンバーの一員、みちるが「トスのあとのウォークオーバー」ができず悩む。
一方、足りないメンバーの補充として頼んだメテオさんはなかなかOKせず、
ミラとカロンも何か思うところがある様子。
果たして大会には無事参加できるのか・・。

この作品は、
「コメットさん(やメテオさんが)魔法を使う」
「がんばってる人にはいいことがある」
という二つの柱を上手く両立させる。
即ち、「がんばってる人の願いを魔法を後押しするのだけれど、
魔法の力で単にかなえるではない」
という難しいバランスを常に要求されているのですが、
今回も難しそうだったそれを見事にクリアしています。

みちるができずに悩んでいる技を魔法でかなえるのではなく、
あくまで「勇気をもって挑戦する」ために背中を押してあげる為の魔法というのが
今回のそれです。
もちろん、みちるは頑張っていて既にその技をできる技量があるということが前提であり、
そのことも折り込んであるので展開的にも納得です
(そして大会の結果は・・というオチもリアリティがもたせてあり、
かつ程良い充実感を得られる効果になっています)。

そして、実際みちるの後押ししたのは
こちらも芯に優しさをもっているものの上手くそれを表に出せないメテオさん。
コメットさんは、メテオさんがみちるに後押しをさせるために魔法を使うのですが、
こちらも実際の効果はメテオさんの衣装を変えるだけで、メテオさんの後押しに徹しています。
要するにどちらもやっていること、その意義は全く同じで、
同じ構造の繰り返しであることと、単純にコメットさんが全てを解決するのではないということで、
話にとてもふくらみがあり楽しめました。

また、コメットさんがメテオさんにメンバー入りをお願いするところと、
ミラとカロンの帰還の期限を少しだけ待ってもらうために
コメットさんとメテオさんが使者にお願いするところも韻を踏んでいて
両者の内容の違いにも面白さがありました
(前半、メテオさんに「王女の尊厳」と言わせているのもちょっとした伏線ですね)。
あと、ここで見逃してはならないのはコメットさんとメテオさんの厳かな態度は、
最後までもたなかったという表現。
コメットさんたちは、使者に対してちょっとした嘘をいっているようなものなので、
「それを最後まで貫き通すのはいけません」という
スタッフによるキャラへの愛情であり視聴者へのメッセージでもあるんですね。

ツヨシくんとネネちゃんの出番が少ないというのはありましたが、
キャラの個性・役割などを存分に発揮させつつ物語を作り上げたという見事な構成の今回は
シリーズ屈指の回だったのではないでしょうか。

第34話「星の絆」

放映日2001年11月18日

ラバピョンに会いに行ったラバボーは
罠にかかり「ハモニカ星国の臨時裁判」にかけられる。
裁判長のヒゲノシタは、
姫様(コメットさん)をほったらかしにしているのが罪状だという。
裁判にはムークを弁護人につけてくれ、
公平な裁判のようにも思えるが、やっぱり何だか変・・。

罠にかかるラバボー→裁判にかけられるラバボー
→ケイスケを思うコメットさん→裁判にかけられるラバボー
→ケイスケを思うコメットさん→ツバメを心配する一同
→裁判にかけられるラバボー(ムークの弁護)→ツバメを心配する一同
→送還されるラバボーとムーク→実は追い出されたムーク
→ツバメ→ムークが気になるメテオさん→ツバメ・・
とめまぐるしく展開が変わるのですが、
心地よいテンポでお話が進んでいくのと、
それぞれのお話がテーマ的にちゃんと結びついているところが秀逸です。
そしてメテオさんとムークの再会から
ツバメを救うシーンへと盛り上がりを見せた後、
最後はケイスケを思うコメットさんに話をつなげて終わるのがお見事。

強いていうと、コメットさんとメテオさん、ツヨシくん・ネネちゃんがベンチで話すシーンで、
メテオさんが固まり気味だったのが少し気になりました。
視線を動かすだけでも大分よくなると思いました。
それからヒゲノシタに扮していた謎の一団は今後の伏線のようですが、
敵をつくるという安易な展開になるのでは、という不安もありますが、
タンバリン星国の人みたいだし、一応期待することにします。

あと今回は
裁判でラバボーをうらやましがったりメテオさんと再会するときのムーク、
「コメットさんはぶたない」というラバボーの目、
メテオさんに協力をお願いするときのコメットさんとツヨシくん・ネネちゃんの表情、
そしてやっぱり協力してしまうメテオさんなどなど、
キャラクターのかわいらしさ爆発で面白かったです。

色々な話がありましたけど、
一番光ってたのはムークだと思ったのは私だけ?(笑)

( 更新:2001年11月23日 文責:ごま )
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