『スパイラル−推理の絆−』第8話〜第13話 ごまのアニメ批評日記fromアニメ討論室
アニメ討論室トップ > アニメ批評日記トップ

ごまの「アニメ批評日記」

『スパイラル−推理の絆−』

更新:2003-01-09
第1話〜第7話 : 第8話〜第13話 : 第14話〜第21話

12.30 第13話「Overture〜序曲」

クリスマスのチャリティ野外コンサートの演奏をするラザフォードにハンターが迫る、という話。
「ハンターって何だ? ブレードチルドレンって何だ?」としつこく訪ねる歩の姿が描かれるも、
相変わらず小出しにすらされない情報提示にうんざりですが、
ハンターの襲撃を未然に防ぐという緊迫感で展開そのものはそこそこ楽しめました。
おとりの盗聴器が本物の盗聴器を隠すという仕掛けは良かったです。
しかし「全ては単純な行動を隠すため」という種明かしはちょっとひどい。
ハンターの事を良く知ってる浅月側の説明をよりどころにする、
という受け手の至極真っ当な意識を利用したせこいだまし方になっていて感心しません。
炎で視界が揺らめくという妨害策も「だが無謀だ」という歩の言葉を待つまでもなく、その言葉通りです。

サブタイトル一覧放映年代順トップ曜日順トップ日付順トップ上へ戻る

12.22 第12話「乾いた瞳」

ラザフォードとカノンが旧友だったという回想と、歩とひよのによるショッピングという話。
どっちつかずの中途半端な話になったばかりか、番外編にもなっていない困った内容でした。
ラザフォード側と歩側の両方を描いてはいるものの、どちらもキャラの掘り下げができてません。
ブレードチルドレンのネタバレが不可能ゆえラザフォード側の掘り下げができないのなら、
歩やまどかの側をアニメオリジナルででっち上げて(こちらは後からなんとでもなりそう)でも掘り下げるべきだったのではないでしょうか。
これまでの謎解き話では説明くさい台詞だけで動きがない、という欠点は見られたものの展開そのものは楽しめましたし、
有名週刊少年誌原作アニメに見られる引き延ばし工作がなく、
謎解き話の合間に今回の話を挟んでいるというメリハリのある構成は評価できるのですが、肝心の内容が無いのではいかんともしがたいです。

サブタイトル一覧放映年代順トップ曜日順トップ日付順トップ上へ戻る

12.16 第11話「グッドナイト スイートハート」

アイズ・ラザフォードが理緒の病室に現れ、一度ついた決着を無理矢理引き分けに持ち込む、という話。
ブレードチルドレン側が歩の力を欲している、ということをより明確にしていたのは伏線通りでしたが、
決着直後に理緒が「自分の力を否定しないで」と懇願するところは、いくらなんでも変わり身が早すぎで不自然に思えます。
もう少し負けた瞬間からの感情の変化を丁寧に描いて欲しかったです。
それにしても、ここに至ってもブレードチルドレンの謎についてはシリーズ初期の情報から全く進展していない、
というのはある意味すごいことだと思います。これで大した事のない真相だったら噴飯ものですが。
朱鞠駅でのひよのとのやりとりが、理緒のプライドを大事に思ってのラザフォードへの進言の伏線として機能している、
という浅月の描写は、いい演出だったと思います。

サブタイトル一覧放映年代順トップ曜日順トップ日付順トップ上へ戻る

12.07 第10話「たった一つの冴えたやり方」

テープとひよのの同時争奪戦に決着、という話。
道連れ自爆用の灯油を理緒に先読みさせておいて、
進ませた腕時計、列車からの鍵受け渡し、と二重三重の罠をはった歩によって展開的には盛り上がったと思います。
ただ、どちらのネタも受け手に読めてしまうのが今ひとつ。
進ませた腕時計の方は理緒の時計をアナログ、歩のをデジタルに、と分かりにくくする工夫はされてたので良しとしたいところですが、
鉄橋の下に行く理由づけが弱すぎたのは減点材料。
ここにもう少し説得力があれば分かりにくくなったし、仮に分かってしまってもそこに踏み込む理緒に感情移入して楽しめたと思います。

サブタイトル一覧放映年代順トップ曜日順トップ日付順トップ上へ戻る

12.02 第9話「きみにできるあらゆること」

鳴海歩の交渉によって、テープとひよのの同時争奪戦がスタートする、という話。
ゲームについては練り込んであるようで、緊迫感を演出できそうなルールだとは思いましたが、
ルール説明の際の盛り上げ方が今ひとつで損をしていたように思います。
もっと瞬時に、受け手にポイントが伝わるような説明の仕方を映像面で工夫すべきだったのではないでしょうか。
それにしても前々からなのですが、肋骨を粉砕骨折した理緒が外を動くばかりか、
鉢合わせしたひよのに驚異を与えるのは納得がいきません。
今の理緒ならひよのでも力ずくで倒せそうです。そういうルールだし。

サブタイトル一覧放映年代順トップ曜日順トップ日付順トップ上へ戻る

11.27 第8話「敗者ばかりの日」

落ち込んで一人街をさまよう歩が再起するまでを描く、という話。
理緒たちを指した「あなたたちは嵐の中の小舟。状況に翻弄されている」というひよのや、
「(歩が)あたしたちを救える」という理緒の台詞などで、
短編小説のつなぎ合わせではなく、ブレードチルドレンの謎の方を軸にした大河物語、即ち長編小説っぽい作りで見せる、
というシリーズの骨格がよりハッキリしました。
某「名探偵アニメ」とは全く逆の作りなわけですが、
今回のように台詞のみによって小出しで進展することしかできないのなら、厳しい言い方ですがアニメでやる意味がないと思いました。
せめて「鳴海歩が必要」という部分でもっと膨らませることができれば印象も変わったのですが。

サブタイトル一覧放映年代順トップ曜日順トップ日付順トップ上へ戻る
第1話〜第7話 : 第8話〜第13話 : 第14話〜第21話
アニメ討論室トップ > ごまのアニメ日記
更新:上記参照 作成:2002-11-29 文責:ごま(goma)
Copyright © 2002-2003 goma All Rights Reserved.
当サイトへのご意見・ご感想のメールお待ちしてます。