テレビ東京系で2002年10月08日(水)夕方6時30分より放送のテレビアニメです。
更新:2003-04-19
グランボンバーがシロボンたちジェッターズと一旦は打ち解けるも、サンダーボンバーの説得に再びシロボンと対決する、という話。
ちょっとしたアイデアをきっちり作り込むことで面白さを醸し出すのが本作の真骨頂。
グランボンバーの涙の方向が自販機で変わってるところ、急須の形をしている陶器職人の顔、
グランボンバーがピンチの際のヒゲヒゲ団員の反応(驚いたり顔をふさいだり)など芸が細かかったです。
四天王のキャラメイクも単純なようでいて絶妙。
真面目で仲間思いかつ忠誠心の強いサンダーボンバーを人の良いグランボンバーの後に控えさせてることで、
両者が引き立てあっています。
マーメイドボンバーからグランボンバーへのつなぎにも注目。
マーメイドボンバーがムジョーに娘と呼ばせるネタが、
今回ムジョーがシロボンに対して「俺の息子は立派に戦った」とグランボンバーのことを語った台詞に生きています。
シャウトが体重計に乗ってるところをムジョーに見られて涙するのは、
「裸を見られて…」という絵コンテを改変したものでしょうか。
面白かったですが、構図が分かりにくかったのが残念。
グランボンバーが「先割れ大根」を餌にジェッターズを罠にはめようとするも人の良い性格が災いして上手くいかない、という話。
土属性という自分に有利なフィールドでジェッターズを待ちかまえたはずが、
いつの間にかシロボンたちとの農業体験に変わっているという展開。
グランボンバーのお人好しな性格設定が本作のノリに十二分に生かされていました。
妙にテンポの遅いシロボンとグランボンバーのやりとりは、
ムジョー率いるヒゲヒゲ団のコミカルさに通じるものがあります。
辛い蜂蜜争奪戦のなかシロボンとMAXが対峙し、シロボンが「正体はマイティ?」と問う、という話。
シロボンとマイティしか知らないはずの「風船ボム」が、
閉じこめられた迷路から脱出する為の方策となると同時にMAXの正体を疑う根拠にもなる、
という演出は面白かったです。
ただ、風船ボムがやってはいけない遊びということを後からシロボンの口から説明させるのではなく、
マイティとの思い出と同じく回想シーンで見せた方が良かったのではないかと思います。
ジェッターズはメンバーが元通りになって、掛けあいの面白さが完全に復活したという印象。
ガングのボケ・ツッコミがいい味を出しています。
マーメイドボンバーの水属性を破るためにシロボンがガング、ボンゴとともに特訓する、という話。
前回、ジェッターズ辞職の騒動から明けたはずなのに、まだジェッターズに戻る戻らないという中途半端な位置から、
支援するガング&ボンゴとシロボンという構図が面白かったです。
水には雷(電気)という弱点を、物わかりの悪いシロボンに教えるために、
長々と回りくどいヒントを与え続けるところが一番の楽しみどころでした。
マーメイドを避けるバーディーの「チャーシューメンか…」の謎は解かれずじまい。何だったんでしょう?
シロボン復帰と入れ替わりに自身の力のなさを痛感したガングとボンゴが辞表を出して去る、という話。
宅配便、屋台、占い師と職を転々としつつも、
いかにも未練たらたらなガングの台詞、それに対するボンゴのツッコミというパターンの連続でしたが、
台詞を変えたり、カツラを使うなど表現をエスカレートさせたりしていて面白いです。
博士が辞表で鼻をかむ冒頭のシーンで既についているオチが更に笑いを誘います。
本作は、こういう倒置法的表現による演出が秀逸だと思いました。
マーメイドボンバーは翻弄されるムジョーや、
こき使われるヒゲヒゲ団員というコミカルさを引き出すいいキャラクターになっています。
シロボンには勝利して対戦は持ち越しということで次回に期待します。
バーディに対するムジョーの「こいつは涼しい顔してるが実は・・」の台詞のあとで、
バーディが睨みを利かせるシーンが妙に意味ありげだったのですが、何か仕掛けがあるのでしょうか。
やる気を取り戻したシロボンがボンバー星で修行する、という話。
修行自体の内容は特に目新しいものではありませんでしたが、
コミカルに描きつつシロボンの慢心さを表現し、
ボン婆さんとの対戦でそれがひっくり返されるという組立は良かったと思います。
フレイムボンバーが倒されたあとキャラボンが復活するという仕掛けや、
ムジョーがアチョーとしてキャラボンに追われるというオチも面白かったです。
ヒゲヒゲ団員があまり出てこないのが残念ではありますが。
敗北を喫して落ち込んだシロボンがそのままジェッターズをクビになり、ボンバー星に帰る、という話。
殴ったり怒声を浴びせて改心させ特訓に突入する、というこの手の作品にありがちな再起のはかり方ではなく、
ボンバー星で友人たちと遊ぶ姿を寂しげな雰囲気で描くことで、
シロボンの自立心による心境の変化を表現し再起に向かわせていたのが秀逸。
なかでも特筆なのは、最初に博士とボン婆さんの会話を断片的に入れたこと。
これにより「ボン婆さんが何か具体的に再起を促すのでは」という意識が受け手に与えられ、
本編のシロボンの自立心をより一掃強調する効果をもたらしていました。
あとシロボンがいなくなったと聞いたときのムジョーの何ともいえぬ表情には、
好敵手への意識のようなものが凝縮されていたように感じました。