「常設展」
これまでの劇場作品に使った写真(建物や飛行機)やモノなどの資料や、
制作現場の一部を再現したセットなどの展示。
また1作品につき4〜5冊にまとめられた(でも分厚い!)
ジブリ作品の絵コンテ集もあり自由に閲覧できる。
余談だがこの絵コンテで、
「千と千尋」で千尋と一緒にエレベータで
最上階まであがり、周りを見渡してから下に降りていった「おしらさま」は
千尋を案内したのではなく単に目指す階を間違えた・・
ということが分かった(というかこんな思い違いをしていたのは私だけか?)。
「企画展」
「千と千尋の神隠し」のセル(?)を多数展示しつつ、
今回ふんだんに用いられたデジタル技術の説明など、
制作の舞台裏を解説。
またスタジオ内に貼っていたと思われる手書きの貼り紙も展示。
おそらく地獄のようであっただろうスケジュールの中で、
いかにスタッフが気力を維持しつつ制作に取り組み続けたか、
そんな雰囲気がよく伝わってきて面白い(見てる側だから言えることだが)。
「動きの面白さに出会える部屋(常設展)」
ゾートロープという、
フィルムアニメーション以前のアニメと同じ原理の仕掛けを展示。
一部はジブリキャラを使って展示されている。
私自身は何年か期間限定で開催されていた某アニメフェスティバルで
同じような展示(もちろんジブリキャラではない)を見たことがあり、
また別のミュージアムにも同様の展示があるので、
全くの画期的展示というわけではないが、
そうそう見る機会があるものでもないので一見の価値はある。
「映画館・土星座」
ミニシアターにて、
上映時間約15分のジブリオリジナル短編アニメーションが上映される。
上映作品は約3ヶ月程で更新されるらしく、現在3作目までが予告されている。
ちなみに3作目は「となりのトトロ」のメイが主人公にした作品とのこと。
上映された第1作は児童文学をもとに作られた「くじらとり」。
とある幼稚園にて年長組の園児が積み木で船を作って遊んでいると、
突如舞台が本物の海に転換しくじらを捕りに出航していく、というお話。
冒頭に登場する園児は年少組なので船には乗せてもらえない。
このあたり普通のストーリーアニメの認識でいると違和感を感じるが、
児童文学にはよくありそうな状況を説明するためのキャラだと思うとしっくりくる。
私自身も最初は違和感を感じたが「あ、これは絵本かなにかだな」と思い納得した。
幼稚園児による言葉のやりとりや、
「泳いでいる」という演技など「○○ごっこ」のアニメーションによる描写が見ていて楽しい。
また現実と空想の場面転換の描写は秀逸であった。