アニメコラム「サイボーグ009」2

アニメコラム集「サイボーグ009」2

第7話「見えない敵を撃て」

放映日2001年11月25日

さらわれたコズミ博士たちを追って
東京までやってきた009たち一行。
009はそこで、
かつて教会で共に暮らした仲間ヤスと再会する。
その時いた少年、そしてそれを連れ戻しにきた怪しい男
は何か曰くありげ。
一方海上では貨物船が見えない何かに襲われていた・・。

今回のお話は博士を捜すシーンに大半が費やされていて、
戦いに関するシーンが少なくいつもと違う展開。
008のモノローグから導入するところや、
009の過去の回想シーンでシルエットを多用するなど
今までとちょっと違った演出がされていて、
面白いところも多かったですが、
ヤスの登場シーンでの顔のアップや独り言など、
見苦しいところもありました。

見えないロボットの描写は
電気や泥で姿が見えるというのがありがちではありますが、
009の動きとあわせて
雰囲気がよく出ていてよかったです。

個人的には回想シーンの絵が印象的だったのですが、
最初の回想シーンでの意味がちょっと分かりにくかったのが残念。
説明的にせずに絵だけで説明する試みは
いいんですが意味が分からないとどうしようもないです。

あとは次回以降の伏線も多く、今後次第というところ。

ヤスと少年が平行に走るところはちょっと笑えました。

第8話「トモダチ」

放映日2001年12月2日

前回、貨物船や東京の街を襲っていた見えない敵は、
ブラックゴーストによってステルス迷彩(姿が見えない)を施された巨大ロボットだった。
009以外のサイボーグたちはステルス迷彩を破ることでロボットの動きを封じる。
一方009は前回たすけた少年の声によって高台にある寺に導かれるが・・

率直にいうと、 2話も費やした割にはそれほどの出来ではなかったですね。
2話続きなら、0010絡みの回の方が、緊迫感で引っ張れていた分良かったです。
「少年(0013)との友情」「009の過去」「ブラックゴースト内部の描写」
と色々詰め込んだものの、
それぞれが設定上のつながりがあるという程度でしかなく、
話に膨らみがありませんでした。
これだったら、まだそれぞれを別々の回にやった方が良かったのでは。

ブラックゴースト内部の描写の際、
影絵のようなモノトーンを使っていたのは
雰囲気とマッチしてなかなか良かったと思います。

第9話「深海の悪魔」

放映日2001年12月9日

コズミ博士を救出し、東京を後にしたサイボーグ戦士たち。
潜水艦・ドルフィン号でブラックゴーストに乗り込むべく、
その本拠を探る航海に出る。
ひとまず海中に没した0013ロボの電子頭脳を手がかりにしようとするが、
そこにはすでにブラックゴースト側のサルベージ船が先着していた。
サイボーグ戦士たちは方針を変更し、
サルベージ船の後を追ってブラックゴースト団の本拠に迫ろうとするのだが・・

今回は海中が舞台ということで、作戦の指揮は008が担当。
ソナー役の003。斥候役の009と、
サイボーグたちが役割を分担していたのが見所でしょうか。

アクションシーンに乏しかったのはちょっと残念。
巨大タコ絡みでサイボーグ戦士たちに戦闘させてみてもよかったのでは。
敵が同士討ちするのもちょっとあざとい感じ。

ドルフィン号内での009と008の会話。
口パクが異常に早かったです(笑)

第10話「オーロラ作戦」

放映日2001年12月16日

輸送機がSOSを発した先である南極に向かって進む009たち。
道中、丁度飛行中の輸送機の乗っ取りに成功し、
ブラックゴーストの基地に潜入を図ろうとするが、
輸送機の中には拉致されたらしい少女がいた。
協力を拒んでいるらしい父親である科学者を脅迫するためらしい。
少女は潜入する009たちについて行くと言ってきかない・・。

敵の新兵器「マッドマシンM1号」は
強力な電磁波を発し全ての兵器の能力を無効化するというもの。
サイボーグである009たちも例外ではなく、
全員が苦痛を味わい窮地に陥る。
さあ、どうやってこの窮地を脱するかというのが見所のはずだったのですが、
なんだかあっけなく破ってしまったという印象。
博士が何か考えついたらしきところでは期待が膨らんだのですが、
結果は地面の下から炎を吹き上げる006・・
う〜ん、もう少し膨らませられなかったのでしょうか。

敵の親玉が最後戦闘機で襲ってくるところで、
002が飛び出してくる意味も分かりにくかったです。
弾よけ? 風圧で方向を変える? ビックリさせて方向を変える?
M1号の電磁波の残りかすで戦闘機が墜落するところは
いいアイデアだったと思いますが、やはり物足りなさが残ります。

戦士たちは一通り活躍してましたが、
今回は007がいい味を出してました。
少女・シンシアに変装するのは予想できましたが、
父との抱擁で最初シンシアの声を出させ「あれっ?」と思わせてから、
007の姿に戻るという小ネタが面白かったです。
本物のシンシアとの抱擁で一瞬躊躇する父親という次の小ネタにもつながってました。

( 更新:2001年12月22日 文責:ごま )