アニメコラム「ナジカ電撃作戦」
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アニメコラム集「ナジカ電撃作戦」

各話

第4話 偽りの星は甘い罠の香りと共に
第5話 深紅に染まる水平線ははかなき夢とともに
第6話 美しき野獣の瞳は孤独の影と共に
第7話 殺意の弾丸は乾いた微笑みと共に
第 8話 欲望の空は戦い渦巻く炎と共に
第 9話 勇壮なる砂漠の獅子は運命の女神ともに
第10話 闘いの終着駅は危険な愛と共に
第11話 惜別のミッションは少女の目覚めのなかに
第12話 華麗なるエージェントは邂逅の薔薇を心に

第4話「偽りの星は甘い罠の香りと共に」

放映日2001年11月2日

人気アイドルグループ4人の中に紛れ込んでいるヒューマリット(アンドロイドのようなもの)
を回収するのが今回の任務。
「アイドルグループの誰か」というところまでの情報しかないので、
うまく接近して調査するよりほかない。
ナジカはパートナーのリラを新人アイドルに仕立ててグループに接近するが・・。

いつも出てくる敵の下っ端が出てこないこともあってアクションも少な目。
即ち動画枚数も少なくなっているようですが、さほど違和感は感じません。
ストーリーをミステリ仕立てにすることで、見る者の興味を上手くひきつけているからです。
本筋から外れますが、
もしもこれが作品全話を通しての動画枚数の割り振りだとしたら「上手くやっている」と思います。
アクションとミステリ仕立てで違った展開を売りにするなら、
枚数的にはアクションに比重を置き、ミステリ仕立ては演出で勝負というのはアリだと思います。
DVD化したときにはどうなるのだろう、という疑問がなくもないですが(余計なお世話?)。

さて、そのミステリ仕立てですが、
組織が用意した判別機が役にたたなかったこともあり調査の時点で難航。
誰がヒューマリットか、ということがミステリ仕立てで進行します。
ようやくアイドルグループのリーダー格に絞られたと思いきや、
最後にまたどんでん返しありと、
ナジカの見る者の思考が同調させていて、推理モノの理想通りの展開をみせます。
見返してみると、ヒューマリットだった人物にはちゃんと伏線がはってあり、
ストーリー全体がよくまとまっていたと感じました。

その他、細かい点では 今回もリラがヒューマリットらしさをみせるエピソードを随所にみせており、
楽しませてくれたと同時に、作品世界の説明にもなっていたと思います。

もっと細かい点では、
同僚の男が回収直後に「お見事」といってやってきたり、
ナジカがいったん敵の使う暗示にかかるふりをしてるのは、
よく考えると不自然なのですが、
ストーリーの流れがテンポよくうまくまとまってるせいで
ちょっと気づきにくくなってるのも逆に「上手い」と思わせる理由になっています。

第5話「深紅に染まる水平線ははかなき夢とともに」

放映日2001年11月9日

祖国を追放された政治犯リカルド・カイデルが、
某国から長距離弾道弾を入手し、祖国に復讐をはかる。
カイデルの手下として働くヒューマリットを回収することが
今回のナジカの任務。
ナジカはカイデルの母船に潜入を図るが・・。

前回の推理じたてとはうって変わって
今回は「ミッションインポッシブル」みたく、
潜入アクションものでした。
ま、全部ひっくるめてスパイアクションものってことなんですけどね。
前回の評論では、
「内容に合わせて作画枚数を加減するのはアリ」と書いたんですが、
今回のを見るとちょっと首を傾げてしまいました。
ストーリー展開上アクションが少ないのは仕方がないにしても、
ヒューマリットとの戦闘はせっかく描いたのだから、
もっとボリュームアップして欲しかったと思います。
アクションシーンの途中でカットを変えてしまって
アクションをはしょってしまったのは、
時間がなかったのかもしれませんが、見ていて哀れな感じがしました。
本当いうともっと手下(ざこ)とのアクションに時間を割いて欲しいんですが。
「Aika」のイメージが強すぎるんでしょうか・・。

ストーリーの流れはよくできていたと思います。
特にミサイルを阻止するあたりは緊迫感も出ていたと思いますし。
あとは潜水艦のアクションで、
一度やられたリラが、ナジカが倒された直後に再び現れる
という演出は良かったと思います。

カイデルの言動はまんま海原雄山ですね。
個人的にこういうキャラ好きなんで(笑)
死なす惜しいキャラだったと思います。

第6話「美しき野獣の瞳は孤独の影と共に」

放映日2001年11月16日

今回回収するのヒューマリットは、戦闘用に能力を強化したタイプで、
しかもマスターを認識しないまま起動してしまったため、
どういう動きをとるのかよく分からない。
ナジカとリラは回収に向かうが、
強奪して取り逃がしていた組織が奪還にやってきて・・。

今回の見所は戦闘用に強化されたというヒューマリットの
アクションシーンや身体の動きの表現。
タイトルにもある野獣という表現がよくできていたと思います。
その分、ナジカによるアクションシーンが削られてしまった
という感じで少し残念なんですけど(やはり華麗なアクションも見たい)、
ヒューマリットに立ち向かうナジカとリラの連携や、
「マスターを認識しない」ということについての
ナジカとリラのやりとり、
最後、本来ヒューマリットに使う予定だったパンツァーカンプピストルで
組織の者を倒すという小気味よい演出で楽しめました。

それにしても今回は
相変わらずナジカへの情報が最初いい加減だったのをはじめ、
一時撤退のところでひょっとして回収できたのでは(後でどうやら無理っぽいと分かる)、
リラが壁を殴るシーンが「人間の筋肉を模してる」と今回言ってるにも関わらず変などなど、
ツッコミどころ満載だったように思います(笑)

第7話「殺意の弾丸は乾いた微笑みと共に」

放映日2001年11月23日

キルロフ社会主義共和国の天才少女数学者スワンニーが亡命。
彼女を保護するべく亡命途中のゼウファ公国に潜入するナジカ。
しかし、それより先に祖国のエージェント・ファンク&レディの
魔の手がスワンニーの身に伸びていた。
スワンニー奪還に向かうナジカに対戦車ライフルが襲いかかる。
そして今回リラはいない・・。

今回のメインはカーチェイス。
直線的で、アニメ的な動きは多くはなかったものの、
スリル・スピード感は出ていたと思います。
そのぶん動きが分かりにくかったのが少し残念。

あと、ナジカの車がファンク&レディの車に
ジャンプして追いつくところは、
それまで、それ以降は車が左向きに描かれているのに、
ジャンプするところだけ右向きになってて違和感ありました。
たとえば直前のシーンで左向き→正面→右向き
とアニメーションさせてからだったらキレイに決まってたのでは・・・
というか最初から左向きでも問題ないと思います。

でもその後、一面の煙→レディの視線で視界が開ける→その目の前に大木
→レディの車がクラッシュ・・という演出は上手かったです。

アクションシーンではナジカではなくて、
スワンニーの保護者・ダニエラと敵のエージェントがアクションするところは
サスペンス風で新鮮な描写でした(でもジャイアントスイングは余計)。
欲をいえばナジカにもアクションさせて欲しかったところですが。

ナジカがホテルマンに「後はお願い」と頼むところ。
ナジカが一番怪しくみえるような気も・・(笑)

( 更新:2001年12月1日 文責:ごま )
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