薫が葵、雅とともに葵の両親を説得しにいく、という話。
前回、金持ちの家における父親の傲慢さ、強情さを強調していた割に、
実は「かつて(結果的に)葵のもとから逃げ出した事が許せなかっただけ」
という父の内面に真相に拍子抜けしてしまった以外は普通の最終回といったところ。
父を説得する薫の言動に、ティナや妙子の台詞が被せられる演出もわざとらしくて特に感じるところがなかったです。
雅に連れられた薫が、軟禁状態の葵に会いに行き二人きりで一夜を明かす、という話。
大木の前で思い出に浸って以降、くさい台詞をふんだんに盛り込んだベタベタに甘ったるい薫と葵のアツアツぶりが笑えました。
雅が一晩留守にすることで薫と葵を逃がそうとし、戻ってみると二人がいたことに驚くという演出は良いのですが、
屋敷に薫と葵以外不在で見張り役は雅だけだったという説明がなかったので、少々分かりにくかったです。
葵が実家に帰ったまま帰ってこなくなった、という話。
葵の父によって薫と葵の運命が揺れ動くさまを、雅を軸にして描いていました。
「一生懸命頑張ってる葵の思い人はどんな人かと見てみれば只の大学生・・」
と薫の第一印象が良くなかったことを雅が明かすところだけは、その批判的意図に共感できませんでしたが、
その後の「今や葵の一部である薫を守る」という意志など、雅の行動原理としては非常に理解できるものでした。
存在しない葵、状況がつかめていない薫に代わって話の軸となる役割を描けていたと思います。
葵が熱を出して倒れ、薫をはじめとする他の住人達が家事をつとめる、という話。
慣れていない家事ゆえ、大げさに失敗する薫たちの描写もベタすぎなら、
倒れたことに罪悪感を抱いて落ち込み、受け手に同情を買わせる葵も輪をかけてベタで、どちらも興ざめ。
葵にかわっての家事のドタバタを楽しみどころとしつつ、葵のありがたみを知るという本意のはずが、
薫達のだらしのなさと葵の前時代的感覚が強調されただけの話になってしまいました。
今回は作画の方も面長な顔がシリーズ中の作画と比較して浮いていたのが気になりました。