「あずまんが大王」第9話 〜 第18話ごまの「アニメ批評日記」fromアニメ討論室

ごまの「アニメ批評日記」

「あずまんが大王」 作品データ

第9話 〜 第18話 : 第19話 〜 第27話

08.24 第20話「別離」ほか4本

3年生になった面々。クラス替えあり、先生の誕生日あり、という話。
生徒の進路に対する谷崎先生の暴言や、かおりんに対する木村先生のセクハラまがいを除けば、
「これが『あずまんが』」と、恐ろしい程まともなギャグ作品をやっていた今回。
歩の「先生に向いてない」というツッコミも、先生の暴言とバランスがとれてます。
智の「峰不二子」「ICPO」をはじめとするボケ発言も毒が無く、
話を聞いてもらえないという、いつもでは見られないおまけつき。
谷崎先生の誕生日ネタでのプレゼント半強要も、許容できる範囲。
珍しく楽しく見られた本作でした。

08.11 第19話「あくび名人」他4本

2年生の3月。黒沢先生や生徒たちがそれぞれ将来を考える、という話。
消しゴムがなくて夜にコンビニを目指すちよが、電柱の電灯の下でいちいちガッツポーズするところに大受け。
暦のダイエット経験をラジオ番組に投稿してることが、智にバレて馬鹿にされるところは、
かわいそうな気もしましたが、毒はなくて許せる範囲内に納まっており面白いと思います。
あくびネタは、オチに使えたところは評価できますが、ネタそのものは特に感じるところなしです。
ネタの数には乏しかった今回の話ですが、個人的には今回のようなノリにネタを更に盛り込んでいく作り方でもいいと思います。
ファン言うところの本作「らしい」面白さには欠けるのでしょうけど。

追記:↑などと今回における本来(原作)の作品構造との違いや、それに対する受け手に違いによるよる印象の差などを
努めてサラリと書いてみたのですが、実のところ「あずまんが絶賛片腹痛し」な自分にとっては、
「エヴァ」最終回の再来(大げさ?)とも取れる今回の冷めた視点の描写、即ち冷や水を浴びせるかの演出に、
「いや〜ん」な気分になる人が少なくないと想像して「ザマミロ」とほくそ笑んだりしています。よくぞやってくれました、今回のスタッフ(笑)
近いうち、今回の話を絡めて総括するつもりなのでよろしく。

08.09 第18話「うきよみ」他4本

年が明けて三学期。よみの旅行自慢からみんなで遊園地にいくことに、という話。
前半では、よみの小市民的ささやかな自慢ぶりが普段あまり立ってないキャラだけに新鮮。
カップベンダー(自販機)の不運、間違って先生を殴ってしまい受けるお仕置きとあわせて、
智の「悔しうらやまし」ぶりで溜飲下がりまくりです。
後半では、そのしっぺ返しということなのか、よみが風邪をひいて一人遊園地にいけなくなる展開。
智の方は率先して遊園地を満喫・・それで視聴者は何を楽しめばいいのでしょうか。
よみの小市民的ささやかな喜びでさえ、しっぺ返しを免罪符にとことんまで突き落とす。本作独特の「素晴らしい」感覚です。
こういうところではバランスをとっておきながら、
智のお仕置きシーンだけは省略したり、いたいけに表現したりと、本作の作り手の感覚はよく分かりません。
今回はデフォルメっぽいキャラをくるくる動かす描写が多用されていて、ここのところは見ていて楽しめました。

08.04 第17話「おおさかの怪談」他4本

12月の学校の様子と、クリスマスを楽しむ一同、という話。
今回、特に目を引いたのは「まだサンタを信じてるか」をちよに問おうとする智に対する神楽のツッコミ。
作品の作り方としては極々当然のことなのですが、
脳天チョップというハッキリした形のツッコミが、本作のいつもの描写に比較して秀逸でした。
ありがちな展開ですが、その後のサンタをめぐる智と神楽のやりとりとあわせて楽しめました。
トナカイは実在するかどうかで孤立の自覚を表にだした智の描写もよかったです。
やはり、智というキャラクターの属性からして、
ツッコミでひどい目にあわされてもヘラヘラ笑ってる位のポジションがいいと思います。

07.23 第16話「くみあわせ」他4本

ちよがクラスの実行委員長をつとめる高校2年の文化祭、という話。
ちよのペンギンの着ぐるみ姿がかわいくてみんながウットリという事柄が
話の大半をしめているのですが、大いに疑問です。
あの着ぐるみ姿はアニメ的も現実的にもかわいいとは思えないのですが。
特にアニメ的にかわいい、かわいくないを言うのであれば、
普段のちよの方がよっぽどかわいいです。
着ぐるみの後ろ姿はかわいらしかったですが。
他には特筆すべきことはないです。

07.18 第15話「木村家の人々」他4本。

高校二年の体育祭、という話。
今回の暦の描写は、マラソン絡みなどツッコミ役をきちんと果たしていて楽しめました。
ダイエット中という設定も生かされた形ですが、本編の描写では少し分かりにくいので、
もっと強調するような別の描写を入れてもよかったのでは。
あとは木村先生の妻とのやりとりでの智のツッコミ台詞や、
借り物競走のちよなどが面白かったです。
かおりが二人三脚を榊と一緒にするところで大喜び、
というネタはこれまで温めつづけたネタふりが実った感じの面白さがありましたが、
その割には至福の時を過ごすかおりの描写が今ひとつで勿体なかったです。
その他のネタは、いつも通り。

07.13 第14話「おかいもの」他4本

夏休みを利用して、ちよの別荘に今年もみんなで行く、という話。
この間やったばかりのネタでは?・・と放映日を調べてみると5月6日の第5話。
なにか釈然としません。2クールで高校3年間なので、やってしまうと当然こうなるのですが。
今回は、ねここねこの砂山を壊される榊、沖に流される歩が面白かったです。
夜店の「死んでる。いや死んでない」や「エスカレータとエレベータ」は、
あるあるネタで視点は良かったのですが、他のネタに埋没してしまってインパクトが今ひとつ。
その他のネタの数々は・・。
智の暴走は毎度ながら楽しみどころが分からず意味不明だし、
よみ・神楽の何のためにいるのか分からないツッコミの弱さも何とかして欲しいところです。

07.04 第13話「ノーガード戦法」他4本

期末テストを舞台に成績の悪い智にスポットを当てる、という話。
ネタとしては智の性格・行動という個人的キャラクターに特化した話で、
差別的で嫌味な要素はほとんどありませんでした。
バンク少な目で動きも多かったし、バンクも今までより早回しで
今までほど苦にはなりませんでした。
と、今までの悪い点が希薄という点は評価するべきなのかもしれませんが、
肝心のお話の方が、何を楽しませたいのかよく分かりませんでした。
あの智の行動を見て何か楽しめたりできるのでしょうか。
いわば「毒にも薬にもならない」といったところ。
まだ差別的な要素をもつ話の方が、
やり方としては反則ながら、楽しませるポイントという点ではハッキリしてました。
あっちを立てたらこっちが立たず・・どちらも丙丁つけがたいです。
榊のイラストを「絵心がない」と思った神楽が、突き刺さる矢を描き加えて返すところは、
てっきり絵を描き直して返すのか、という予想を裏切る面もあり面白かったです。
あと最後の方で、能力を奪った智の実演。みどころはこれくらい。

06.27 第12話「ちよちゃんの一日」他4本

ちよの高校生活での一日を日記風につづる、という話。
「初夢」に続いて「根本的に面白くなりようがない話」第二弾という印象。
結論、「他人の日記を覗いてみてもつまらない」
(読ませることを前提にした日記サイトは別です。念のため)。
二本目までは、ホントにただの垂れ流しという感じでしたが、
それ以降では、焼きそばパンを頬張る智の顔の動きや、
チリトリでどんどん後ずさっていく歩の「あるあるネタ」で楽しませてくれました。
今回は連続使い回しの演出が少なかったのも好印象です。
水泳のシーンをはじめ、アニメーション映像が良くできていました。

06.15 第10話「ドラフト指名」ほか4本

2年生に進級してクラス替えはどうなった? という話。
前から思ってたのですが、神楽の性格に一貫性がないような気がします。
榊に過剰なライバル視とか、精神的に智や歩と同レベルというキャラにもっていくなら、
体育祭で悔し泣きするところや、文化祭で困惑するところなどは、
同じ人物として納得のいく形に描いた方が良かったのではないでしょうか。
シリーズ中、繰り返しや止め絵が多用されるのは冷静に見てくどいのですが、
今回における、クラス替え直後の榊と神楽の会話のところなどは、
台詞を入れるタイミングなどが上手くいっていて、繰り返しの手法として成功していました。
ただし後ろにかおりんがいる構図での榊の振り向き具合は失敗。

06.05 第9話「触れないなら」他4本

榊さんの猫好きを堪能するお話。
「背を返せ」のシーンは、相変わらずの間延びしまくり。
タイトルの1本目と、誕生会におけるプレゼントのぬいぐるみの名前や設定に見せるこだわりには
笑わせてもらいました。

( 更新:2002年7月19日 文責:ごま )
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