『シスタープリンセス〜リピュア〜』第8〜13話ごまのアニメ批評日記-アニメ討論室
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ごまの「アニメ批評日記」

『シスタープリンセス〜リピュア〜』第8話〜

第1話〜第7話:第8話〜第13話
更新:2003-01-09

12.31 第13話「ピュアクリスマス」

兄がこっそり準備していたクリスマスパーティ。そこで妹たちが兄へ心からのプレゼントを贈る、という話。
舞台となる街の歴史が裏設定としてあり、各話に散りばめられた「街の風景」というパーツが今回パズルのように1つにはめ込まれる、
という趣向らしいのですが、時計台、プラネタリウム、倉庫といった舞台が再登場してるのが分かった程度で正直よく分からなかったです。
お話そのものは、兄へのプレゼント、兄からのプレゼントも予想がつく展開ではありましたが、
この時期、単に時節柄でクリスマスを扱った程度の演出でしかなった他の多くの作品と比べると、
真正面からクリスマスというイベントを使って妹たちによる兄への思いを描ききったのが良かったです。
何をプレゼントにするかという会話やサンタを信じるかどうかという要素で、姉妹らしさも出ていました。

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12.24 第12話「お兄さまのレストラン」「咲耶」

前半は、咲耶たち4人が兄をイタリアンに招待するも、妹たちに譲る羽目になってしまう、という話。
イタリアンでの食事を妹たちに譲るところのやりとりでは、姉妹らしさがそれなりに出ているのに、
肝心のレストランのシーンでは全く考慮されていないというのはいかがなものでしょうか。
成り行きとして給仕に扮する姉たち4人と妹たち4人に、譲ったことを下敷きにしたやりとりが全くなく、
「これのどこがシスターなの?」というツッコミを入れたくなってしまいます。
給仕服を着たがる花穂をたしなめることもできず、事なかれ主義おべんちゃらマシンと化す兄の姿は、
ここまでくると滑稽ともいえますが、ある意味笑いどころかもしれません。
あと、時折出てくる犬は心がなごみます。

後半は、咲耶のモノローグ。 本編(前半)では「兄に本気で恋をしている」ということだけでしかキャラが立っていない咲耶を、
このモノローグによってどのように内面を映していくかというのが見どころのはずなのですが、
蓋を開ければ本編をトレースしただけのストーリーで興ざめです。
作画面では担当が入れ替わって個性を打ち出すという主旨でここまできていますが、
今回のは咲耶の特徴をとらえておらず個性という範疇を越えてしまっています。
ただ、中身のない脚本に対して一応見ていられるだけの映像に作り上げたのは見事でした。

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12.16 第11話「思い出の宝箱」「白雪」

前半は、咲耶の大事にしていたアクセサリーを、自分のあげたものだと忘れていた兄に咲耶が怒る、という話。
前回以上に思わせぶりな要素の割に何もなかった、という印象。
強いて挙げればラストの噴水のシーンですが、もっと本作らしく思いきって露骨にロマンチックな演出にしてみても良かったのでは。
後半は、白雪のモノローグ。
失敗作のお菓子を兄に食べさせていた、というツッコミどころ満載の白雪の独白でしたが、
子供らしい表現がされていて嫌味は感じませんでした。
しかし兄と恋仲に陥っていたらしいマダムが、「兄への思い」を口にする白雪の敏感に反応してしまうのは、
子供の戯れ言を間に受けてしまう不可解な展開で、最初の白雪の子供らしさを打ち消してしまっているように思います。

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12.08 第10話「運命の赤い糸」「鞠絵」

前半は、兄にマフラーをプレゼントしようとした咲耶が、兄へのラブレターの存在を知って嫉妬する、という話。
思い人が兄ということを除けば、ラブレターに嫉妬してマフラーを渡せずというところから、
ひとりぼっちでいる咲耶に兄が優しく気遣うという展開はありがちなもの。
それだけに雛子や春歌といるシーンで、
仲の良い姉妹、その中にあって兄に恋心、という本作ならではの要素を使っての盛り上げがなく、
単なるラブストーリーのようになってしまった印象を受けました。
兄への恋心という異常性が出ないようにという作り手の意向は理解できるのですが、
敢えてきわどい設定を咲耶にもってきている以上、単純に避けてしまっては意味がないと思います。

後半は、鞠絵のモノローグ。
犬のシャンプーの際、水をかぶって風邪を引いて倒れる、という現実のシーンから、
兄を捜してさまよう夢の中の世界、という展開を見せるのですが、
モノローグとはいえ、いかにも枚数が足りなさすぎという印象で、感じるところがなかったです。

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12.03 第9話「そばにいるよね・・・アニキ」「春歌」

前半は、鈴凛と四葉が兄を尾行する、という話。
最初の方はクリスマスプレゼントの買い物らしい、ということで、
尾行するときや、「見てはいけないものを見てしまったかも」という二人の様子が楽しめるのですが、
貨物倉庫のあたりは兄が何をしているのかが謎で、話がよく分かりませんでした。

後半は、春歌のモノローグ。
作画監督の癖が著しく現れた春歌の表情。特にその変化の付け具合が印象的でした。
極端な話、別の作品を見ているかのような錯覚に陥ります。「アベノ橋魔法商店街」など。
ストーリーの方は、兄に待たされる妹という本作の定番のような展開でしたが、今回はちょっと物足りないです。
七夕云々の時間を縁日デートの時間に回して、「兄に対する思い」をもっと語らせて欲しかったです。

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12.01 第8話「面会日なのです!」「四葉」

前半は、療養所にいる鞠絵が兄との面会日を迎える、という話。
鞠絵の人形劇に彼女の気持ちが込められているところが見どころだったのですが、
背景の配色と人形の動きを丁寧に描くことで心象描写にする、
という臭くならないギリギリの線での演出に好感がもてます。
亞里亞と花穂が言い出しての寄り道で「早く鞠絵の所へ行こう」と勝手をいうあたり、
子供っぽさが出ていて面白かったです。それによって可憐の姉さんぶりも表現できてました。

後半は、四葉のモノローグ。
冒頭の、兄にすっぽかしを食わされるシーンが意味不明ではありましたが、
その後のモノローグでは四葉のキャラクターが上手く表現できていました。
内容そのものはパロディネタや流行語など安直な要素が鼻につきましたが、
効果音を使っての場面転換などでメリハリがついていたので、
嫌味は押さえられていたと思います。

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第1話〜第7話:第8話〜第13話
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更新:上記参照 作成:2002-10-09 文責:ごま(goma)
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