『キディ・グレイド』第1話〜ごまのアニメ批評日記-アニメ討論室
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ごまの「アニメ批評日記」

『キディ・グレイド』

フジテレビにて2002年10月08日(火)25:28より放送、東海テレビにて2002年11月15日(金)25:50より放送のテレビアニメです。

更新:2003-01-20
第1話 〜 第7話 : 第9話 〜 第14話 : 第15話 〜 第21話 : 第22話 〜 第27話

01.15 第7話「Trial/Child 」

財閥の息子ティムを正式に当主宣言させるため、決められた場所まで送りとどける、という話。
決められた場所で当主継承宣言というのは、どこかで見たような話ですが、
話としてポピュラーなのでしょうか。それとも現実によくあることなのでしょうか。
それはさておき、本編ではティムの細かい心情描写が楽しめました。
最初は「おぼっちゃま」と言われてムッとするも苦難を一緒にのりこえるうちに心を許していく、
というエクレールに対する心象の変化が良く現れていました。
裏で何事か画策しているらしいアームブラスト、
それを察知するリミュエールは次回以降にも続きそうな伏線を兼ねた演出。
GOTT側が仕組んでいるという雰囲気により、エクレールの苦難が強調されていたように感じました。
脇役では分子の結合レベルを変換出来る能力をもつヴァイオラ&シザーリオ組が登場。
一言も発しないシザーリオとちゃっかり屋のヴァイオラという取り合わせは、コミカルで面白かったです。

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12.27 第6話「Twin/Star 」

エクレールがGOTTを円満退職するパドゥーシカとコンビを組んで、起動エレベータ内に発生する連続強盗犯を検挙する、という話。
作戦の全貌を知らないパドゥーシカには偽(おとり)の任務が与えられていて、
連続強盗犯の検挙というエクレール側のストーリーラインと平行して進みますが、
その二層構造をエクレールとパドゥーシカの台詞や態度によって、間接的でありながら分かりやすく示していたのが秀逸でした。
エクレールが受付係の仮の姿に甘んじていたり、戦闘服の一団撃退をパドゥーシカのナノミストシールドによるものとしたりと、
本編の所々に、二層構造の目に見えない説明がなされています。
チェックインの際に置き引きを捕まえたり、リミュエールの「別れるのが辛いからベタベタしない」と性格を見破られるシーンがあったりと、
本編に絡むところから、そうでないところまで盛りだくさんの内容で、あっという間の一本でした。
犯人が軌道警察そのものという事をエクレールが知るところなど、
その場の状況説明に説明臭いきらいがあったのが少し気になるところでしたが、一本にまとめる上では難しいところかもしれません。
あとひとつ、これは個人的に気になったのですがシニストラ&デクステラのキャスティングはどうだったでしょうか。
演技は上手いのですが見た目の若さに対して、声が渋すぎるように思いました。

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12.18 第5話「Day/Off 」

休暇中の二人に、要人の子息を誘拐・後催眠して将来の傀儡を目論む悪事に遭遇する、という話。
つかまったエクレールが悪事に荷担させられるところに説得力を欠いていたように思います。
普通なら始末されてしまうところだと思うのですが。
そういう展開になっても自力で脱出できるが敢えて捕まっている、という風にエクレールを描いていれば良かったのではないでしょうか。
それ以外は、それぞれ事件に遭遇して山場で合流するという本編を楽しめました。
冒頭のエクレールの口紅は、力の増幅ではなくて力の抑制だった、というのは面白いアイデアだと思います。
あと、エクレールの子守歌は今後の伏線ということなのでしょう。楽しみにします。

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12.09 第4話「High/Speed 」

盗まれた超高速リアクターを奪還する、という話。
格闘技が登場するなどアクションを主体とした回でしたが、
リアクターというギミックを上手く使っていて、動きの乏しさを感じさせなかったのが良かったです。
演出の方では、エクレールの「金のためなら何をしてもいいの?」という台詞にフォクシーが反応するところや、
「警官隊がいる」というバレバレの嘘をごまかそうとするエクレールの演技がリアルだったことなど、
細かいところではいくつか見どころはありましたが、
全体的には状況説明を断片的な台詞やカットで済ませているところが今ひとつな印象でした。

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12.06 第3話「Prisoner/Escort 」

大きな機械の身体をもつ企業詐欺犯を辺境惑星から銀河中央司法局まで護送する、という話。
エクレール&リミュエールの実力を認めようとしない態度をとる警部が登場し、
一つの事件を経たラストでその警部が改心する、という全体の構図はミエミエだったのですが、
その中心要素であるエクレールと警部の間の描写は良くできていたと思います。
警部はエクレールを終始子供扱いするのですが、
子供扱いをする表現の場合「年齢が」「実績が」とういう風に、大抵は具体的な数値を用いることで楽にかつ明確に描写します。
今回の場合はそれに頼らず、警部の台詞に込められた気持ちや立ち居振る舞い等で見せていたのが良かったと思います。
一方のエクレールも子供に見せることを指向しているのですが、その仕草や大人なら言わない純真な台詞で子供っぽい表現ができていました。
ただ、そういうエクレールの子供っぽい描写に違和感を感じるのも事実で、
過去2回を見た限りでは、今回のエクレールは外見からの年齢と精神年齢があっていないように思います。
エクレールと警部のやりとりとは別の部分でエクレールのキャラ設定(具体的には年齢)を描いておくか、
今回の話をもっと先の回で放映する等してれば違和感がなかったかもしれません。

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12.01 第2話「Tight/Bind 」

重力制御装置のパーツを巡っての捜査、という話。
上級捜査官のアールヴ&ドヴェルグという階級的には上の存在を登場させて、
エクレール&リミュエールの実力を描写する、というのは物語演出としてはセオリックではありますが、
ライバル関係としての今後の展開に期待をもたせてくれます。
今回の話では、主人公コンビがおとりだったことを分かりにくくできていたのが良かったです。
今ひとつだったのは監査官の行動原理が説明不足だったこと。

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11.21 第1話「Depth/Space 」

惑星ファウヌスの大統領の名代を、ファウヌスとの緊張状態を解くため惑星メディアに無事とどける任務、という話。
例えば「ダーティぺア」のようにアニメでも見られる、
主人公二人組の活躍を描く「バディもの」というジャンルを志向した作品で、
なかでも日本のテレビ史におけるそのルーツともいえるアメリカ製の「ロードムービー」の要素を取り入れるらしいです。
今回は第1話ということで、その辺りは分かりにくいですが、
「ダーティぺア」のような「先例」がある分、取っつきやすさはあるので期待はできます。
ただ今回は、GOTTの紹介としての小事件から、世界観やキャラの紹介、本編の話、
と内容盛りだくさんの割に、進行にメリハリがなくて全体的に散漫な印象。
これが演出実績のない後藤圭二監督のせいでなければいいのですが・・。
見た目で感じるキャラ設定に比して自己主張するリミュエール、という形でキャラが立っていたのは今回の収穫でしたが、
逆にエクレールのキャラが弱いからという気もします。

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更新:上記参照 作成:2002-11-24 文責:ごま(goma)
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