「クラッシュギアT」ごまの「アニメ批評日記」fromアニメ討論室

ごまの「アニメ批評日記」

「クラッシュギアT」

第35話 〜 第43話 : 第44話 〜 第54話

08.04 第43話「絆に結ばれたファイト!」

W杯ファーストステージ第一戦・第二試合、コウヤ・ジロウ組対シュナイダー兄弟、という話。
今回のポイントは、シュナイダー兄弟を上手く使った演出。
前半では、コウヤとユウヤと同じような少し歳の離れた兄弟に、
自分のかつての姿を見てしまうコウヤが弟に感情移入してしまいバトルがおろそかに。
後半では、兄を慕う弟ゆえという攻撃・防御を完全に分けた役割分担を前に、
コウヤとジロウは、それとは違う対等なパートナーを志向する、という描き方が面白かったです。
特にいち早くその事に気づいたジロウによるコウヤへの挑発が、
ジロウの実は結構思慮深いところがよく表現できていたと思います。
あれだけミエミエなのに、それに気づかないコウヤも同様。
キョウスケの助言は「設計思想が同じギア」というきちんとした答が最後に明かされることで、
オチもついて話がきれいにまとまってました。

08.04 第42話「華麗なる白い騎士団」

ワールドカップ・ファーストステージの第一戦・第一試合、という話。
ヨーロッパチャンピオンのヴァイスリッターズと対戦だったのですが、
対戦前のちょっとしたトラブルで前フリ。熱くなったキョウスケがタッグマッチの意義から逸脱した暴走。
苦戦の中、クロウドの捨て身の救出から我を取り戻した二人が合体技で勝利する・・
という、言ってしまえば非常にオーソドックス展開。
映像的にはタッグマッチで4台のギアがフィールドを駆け抜けるさまが見どころでしたが、
最初の試合ということもあってか特にコレといったものはなかった印象。

07.23 第41話「ワールドカップ 新たなる戦い!」

コウヤたちが舞台となるオーストラリアに旅立ち、そして開会式、という話。
出場者の顔ぶれ、というよりクラッシュギアの見本市といった様相。
だらだら垂れ流し続ける展開で、あまりに工夫がありません。
コウヤが偶然出会った女性が、実はジーファ前会長の娘で新会長だったり、
レナードとミンウーに因縁あり気だったりと、
演出要素はあったものの盛り上げる工夫に乏しく「だからなに?」以上の印象を受けませんでした。
開会式演出がシドニー五輪もどきだったのも、驚きもしなければ面白味も感じませんでした。
総集編的展開でもセンス良く仕上げてくるのがサンライズの仕事だと思っていたのですが・・。

07.18 第40話「決闘!クラッシュ巌流島」

クロウドの為のギア製作に集中できないキョウスケが自分のやり残したことの決着をはかる、という話。
「ギアファイター兼任」という中途半端な状態から
ギアマスター一本へと移行していくキョウスケを描く話なのですが、
話の順序立てはいいとしても展開としては急すぎるように思いました。
試合は試合として独立して描かれていて、今回のような話はその間を埋める形で描かなければならない、
という条件面の厳しさは分かりますけど、
キャラクターの心、特にその変化する過程を描くのは大事なことであり、
決しておろそかにすべきでないと思います。
とはいえ、大川キシンに突然の挑戦状を叩きつける様や、
戦いの舞台として用意されたクラッシュ巌流島という仕掛けは、
初期の作品のノリを全面に出した感じで面白かったです。
キョウスケが偶然知り合う剣豪・武蔵(たけくら)は、
コウヤたちが北海道に行った以前の回に登場しクロウドに影響を与えたキャラですが、
もう一度出てきた割には、二度登場ならではという面白さにかけていて勿体なかったです。
キョウスケとの会話の中に、北海道で出会ったクロウドのことを語る台詞を
キョウスケの今後の参考になる形として入れて、
聞いているキョウスケは参考にはなっても、クロウドのこととは分からない、
という演出にすれば面白さも増したのではないでしょうか。

07.10 第39話「バルト海の荒鷲ガレン!」

クロウドとキョウスケがかつていたチームグリフォンが危機に陥っていた、という話。
クロウドに救いを求めて駆け込んできたカズヤの台詞が子供っぽくなくて変です。
ガレンによる改革のところで「自由と自主性から義務と戒律に・・」
と自分が体感したことをどうして思想に変換して語るのかと。
普通に「トレーニングが厳しくなった」でいいのではないでしょうか。
本編の方は、チームグリフォンを介して、
新たなライバルの登場と、クロウドとキョウスケの真の友情が描かれてます。
一応クロウドメインの話のはずですが、
キョウスケの言動描写や演技がクロウドを食ってしまったと感じたのは私だけでしょうか。
ストーリーは真面目そのものでしたが、
コウヤたちが駆けつけたところでの「バーン!」という効果音や、
「俺のギアを作って欲しい」とクロウドが言うシーンで鳥が羽ばたく映像を入れるところなど、
どこか笑ってしまう、初期の話で見られた演出だったと思います。

07.04 第38話「ガルダイーグルを作った男」

ジロウの親友であり、ガルダイーグルを作った元トビタクラブ部員でもあったアレックス、という話。
前回の最後にあったジロウの心の内がうやむやになってしまったのは残念。
しかし、ジロウの現在の実力やそれに見合った新たなギアの必要性や、
キョウスケの今後に訪れる分岐点、コウヤの実力、コウヤとユウヤとの方向性の違いなどなど、
トビタクラブの面々の実状がアレックスという外部のキャラによって
浮き彫りにされていてシリーズ中のいいアクセントになっていたと思います。

06.29 第37話「忍者ファイター登場」

ワールドカップ出場を決めたトビタクラブが、万願寺クラブ優勝セレモニーに招待されての一幕、という話。
シリーズ中の位置づけとしては、箸休め的話ではありましたが、
トビタクラブでのパーティ描写は、初期のコメディっぽい話を彷彿とさせるものがあり、楽しかったです。
それから今回は、ワールドカップでのライバルを登場させておくという意味あいもありました。
旧友・滝を侮辱されたジロウが対戦し負けてしまうのですが、
その後、「滝とコウヤたちどちらが大事なんだ!?」と
ジロウがコウヤに問いつめられるところが結構盛り上がった割に
アレックスの乱入で結局うやむやに。一体何をやりたかったのでしょう???

06.05 第35話「宿命の対決!アジアカップ最終決戦」

遂にたどりついたコウヤと万願寺の再戦。
なのですが、シャイニングソードブレイカーがあと1回しか使えない、という時点で
ドロー・ドローという展開が読めてしまうのがなんとも・・。
負けてしまうのも、負けても世界大会出場権を得るというのも予想の範囲内だったので、
正直楽しめる部分がなかったです。
強いて挙げれば、ちびコウヤがかわいらしかったところでしょうか。
ところで、どうして決勝戦で負けたコウヤたちトビタクラブが3位なの?

( 文責:ごま )
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