さかのぼって和人の家に居候することになった顛末、という話。
ファーストインプレッションで、
説明不足を演出上の謎と勘違いしている、と指摘したのですが、
サイト「キャラアニ・ドット・コム」でこんな文章を発見。いやはや・・。
「第1話を見て、続きがチョー気になった、というか、「?」がいっぱい頭に浮かんだよね。
これは、続けて見ていくしかない」。
で、その通り今回のお話は、第1話とはいわゆる帰納法という関係で、
物語の時間軸としては一番最初にくる、
和人が宇宙船の墜落に巻き込まれて瀕死になるところが描かれるのですが、
本編を見る限り帰納法にした意味がまるで感じられません。
というより本来放映すべき順序を入れ替えただけ、とすら思えます。
宇宙人社会というインパクトを与えたいのであれば、
第1話の冒頭のシーンだけ使って、あとは第2話でも全然問題ないです。
帰納法にしたので今回一番みどころとなるハイドラの「幼女化」も、
「秋葉が護符を貼ってハイおしまい」という描き方では・・。
次回も第1話より前の時間軸だそうです。
ワるきゅーレを追ってバルハラ星の次女長がやってきた、という話。
今回も前回同様、第1話以前の時間軸の話。
第1話の猫耳部隊のなりたちも明らかになったのですが、
一般市民を手当たり次第に襲って隊員に引き入れるという真田の手法は、
コミカルさよりもインモラルさの方が前面に出てしまって全く楽しめませんでした。
インモラルな行動が必ずしも不可というわけではないにしても、
本編の描写では救いというか免罪符的なものが一切なく、
これをコミカルと強弁する作り手のセンスには呆然しきりです。
和人・秋葉・ワるきゅーレ・ハイドラの相関関係が明確になったところだけは評価
ワるきゅーレが地球に逃げ出してくる原因である、見合い相手トリアム王子がきた、という話。
クライマックスでは、ワるきゅーレが和人にあげた「大切なもの」をめぐる争奪戦が描かれます。
冒頭から描かれるバドミントン遊びがアニメーション描写としての伏線になってるのが面白いです。
ただ、この争奪戦を描くなら「大切なもの」を抽出されたときや、
ワるきゅーレが変身したときの和人の状態は何なのかということを
予めきちんと描くべきだと思います。その方がより面白くなるはず。
トリアム王子に何回かツッコミを入れる秋葉は、笑いのポイントのように見えましたが、
いかんせん声優の演技の方がそれをこなせてなかったです。
「リンゴの皮くらい自分でむけ」とトリアム王子の内心を喝破する、というオチは秀逸。
トリアム王子がリンゴを丸のままかじってること、「皮をむかないと美味しくない」という台詞、
ワるきゅーレへのお近づきの印、という3つの要素で上手くオチにつながってました。
トリアム王子がワるきゅーレに求めているものと、
それを見透かすワるきゅーレの知性も同時に表現できているのも良いです。
アレがどう考えても「果物ナイフ」に見えないのが際どいところですが。
ワるきゅーレ出現以降の時野家の日常を和人の妹であるリカの視点で描く、という話。
海賊協会からの刺客、雷鳴のマルデュークがワるきゅーレ捕獲のため出現したのがちょっとした事件だった他は、
サブタイトルの通り何事もない日常。「恋愛より受験」というリカの中学生活がつづくのみ。どうでもいい話。
マルデュークによって明かされるシロの過去の姿「戦場の悪魔、流星のシロッケンハイム」というのもあまり意味はなさそうです。
リカが無意識のうちに森川を意識しているという姿はよく描けていたのですが、
リカに告白した森川と和人が「似てる」というリカの台詞は説得力に欠けました。
真田さんが少女姿のワるきゅーレでビデオクリップをつくる、という話。
周りの迷惑を顧みず撮影を続ける真田さん、という図が全般にわたって続くのですが、
この展開には見るべきところはなく退屈しきり。
しかし、できあがったビデオクリップ上映会のシーンが秀逸。
オープニング映像と本編という構成、真田さんによる事実の改竄、それに被せられる真田さんの下手っぴな歌(コーラス入り)、
「皇○アルバム」かのような本編のナレーション、山場で再びコーラスと、中身の濃い内容でした。
撮影のモニター画面の作り込みがいかにも手抜きだったのと、追加撮影に理由づけが納得できるものでなかったのは減点。
姉であるワるきゅーレを慕う妹ライネが、姉に会うためにバルハラ星からやってきた、という話。
ワるきゅーレを和人から引き離そうとライネが、秋菜、ハイドラ、真田に変身し、
それぞれの偽キャラで和人を籠絡しようとするパターンが続きますが、
下手なお色気を演じるライネの間抜けな作戦ぶりがそこそこ楽しめます。
和人の知人に変身する必要のないところを強調すれば更に面白くなったと思います。
今回、映像面ではライネの変身シーンが4回もありましたが、
変身シーンを含めた全体的な作画が美しかったのでそれほど気になりませんでした。
ワるきゅーレの希望もあり、侍女部隊一同を引き連れて一泊二日の旅行に行く、という話。
猫耳侍女部隊誕生における、真田さんが強制的に召集したという経緯と、
活動は無料奉仕という部分にずっと引っかかりを感じていたのですが、
ワるきゅーレ絡みとはいえ、今回の話で一応のフォローにはなった形。
しかし、であるならば今回以前の話(特に第3話)はもう少しマシな作りにできたはずだと改めて感じます。
宗教の勧誘みたく「人生に疲れた人。人生に物足りなさを感じる人。猫耳やってみませんか」
などとアナウンスして、手当たり次第ではなく自らの意志を強調すれば印象は大分違うはず。
ライネの円盤が墜落したショックで秋菜が小さく、ハイドラが元の姿に変身した、という話。
円盤の2度の墜落と、それが原因による変身は展開が強引ではありますが、
本編の内容の方が良ければOKでしょう、と思いつつ見ていました。
で本編はというと、小さくなった秋菜に元の姿のハイドラが子供扱いするという立場の逆転から、
学校でも友達連中が小さい秋菜をかわいがるという展開からスタート。
ここのところは設定を上手く使ったコメディ演出で楽しく見ていられました。
てっきり小さくなった秋菜が同じ立場のハイドラ(やワるきゅーレ)に思いをはせるのかと思いきや、
和人との小さい頃を思い出して、ワるきゅーレへの嫉妬を燃え上がらせるという展開に。
となると注目度を増してくるのは居候しているハイドラの対応なのですが、
意味ありげな表情のカットを何度も挿入した割には、ラストで秋菜の湯飲みに茶を注ぐという姿があっただけでガッカリです。
せっかく秋菜とハイドラの「いい話」を作るに絶好の展開だったのにもったいなかったです。
それは秋菜に対するハイドラの今後の態度に持ち越し、との期待ができなくもないですが本作の過去の実績からいうと・・。
「大きいうちにずらかっておけば良かった」とハイドラが言うところも、
意識あるいは無意識のうちに「敢えて逃げなかった」というところを強調すれば良かったのに、と思います。
ワるきゅーレのいたずらが原因で小惑星の購入者になった和人が、現地へキャンセルに行く、という話。
真田さんが目を離した好きにイタズラしたワるきゅーレによる小惑星購入、
それをあっさり受け入れる和人の「時乃湯を売り払わなければ」と生真面目な対応など、
ありきたりな展開ではあったのですが、ワるきゅーレの馬鹿っぷりが怒りを通り越して笑えてしまうことと、
和人の「情けな声」の演技が絶妙にはまっていることで面白かったです。
通信が途絶えて絶体絶命のところへやってきた唯一の頼みの綱ライネの宇宙船で現地へ、
何故か全員同乗というのも自然な展開で良かったと思います。
後半の海賊との戦闘シーンは「板野サーカス」風ミサイルや、
シロッケンハイムの見せ場、宇宙でスーパーマンな能力を見せるワるきゅーレとライネ
と一応の見どころはがあったものの、描写における工夫に乏しく印象としてはおざなり。
カス物件と思った小惑星から温泉が湧いた、という話。
ワるきゅーレの魂の回復が、温泉の効能によってもたらされるという一点から
シリーズ全体の話を膨らませたのでしょう、と種を明かせばなんてことはありませんが、
銭湯経営者の和人が、ひょんなことから宇宙の温泉を手に入れるという展開、
それによって変身できなくなったワるきゅーレという変化によって、
これまで描いてきた和人とワるきゅーレの関係を問い直す演出は悪くないです。
しかし、最終回直前ということでワるきゅーレ(とハイドラ)があっさり連れ帰られてしまい、
温泉も枯渇して閉鎖というのはいかにもご都合主義的展開で興ざめです。
宇宙別館ネタでもう一話引っ張れば面白かったと思うのですが。
振り返れば、猫耳侍女部隊という設定やそれによる第8話、
或いは、結局本筋に全く絡まなかった第5話などは無くても良かったです。
個人的な今回一番の見どころは「どうでもいいや、こんなの」
といって温泉分析表をとばし読みするハイドラ。
厳戒態勢を突破してバルハラ本星にいるワるきゅーレに和人が会いに行く、という話。
前半のバルハラ本星突入シーンに関しては、言ってみればありきたりなドタバタだったのですが、
これまでにライネのキャラクターを今回に生かせるような描き方をしていたのが功を奏していて、
ありきたりな割には楽しめました。援護するシロッケンの方は同様の意味でまだ物足りないです。
本編の方は、秋菜の和人への気持ちが未消化なので、単純に和人とワるきゅーレを恋人にはできない、
という条件下でどのような展開を見せるのかが注目だったのですが、
秋菜への「ワるきゅーレとの別れ」の宣言→和人とワるきゅーレの別れの一時
→実は予定の結婚相手が和人→ワるきゅーレが再度小変身でうやむやに
と基調のコメディ路線を踏襲しつつそれなりに楽しませる出来にはなっていました。