男ということがバレて学園を去る天和響と、生徒たちの反応、という話。
学園を去っていこうとする響に対し、最初は騙されたことに憤っていた生徒たちが、
やがて教師としては立派だったことに気づき、響のことを追うという展開はベタなもので、
物足りなさもありましたが、まとまりはついていたと思います。
青木の一見軽率に見える正直な発言から場の雰囲気を変えていったり、
生徒たちに対して姿を見せずに遠くから答える(流石に生徒の前には立てないと思う)響の描写など、
このシチュエーションにおけるリアリティというものに対する気配りが良かったです。
樟葉の積極的な行動から、生徒たちが同調していくところは感動的。
一つだけ欲をいえば、樟葉が響を追うという行動で響が免罪されるという演出ではなくて、
二人きっちり向き合わせて気持ちをぶつけ合わせて欲しかったです。
それでこそ女装という設定での人間ドラマが最高に生かされたと思います。
ひびきの正体がばれる、という話。
前回の火事での負傷で入院したひびきの正体を暴こうと、
武庫川教頭が病室に入ってこようとするが、東風と森小路により別室に隔離。
ところがその部屋がひびきの部屋を見渡せる部屋で、ひびきのメイク落としを撮影。
っていうのがまず嘘っぽいです。東風らによるギャグ演出にしたいのなら、
「教頭の病院侵入」対「東風らによる阻止部隊」という構図にした方が納得がいきました。
朝礼でひびきの正体がばらされるシーンで、
三条による助け船を入れたのは、ひびきの心情が強調されていて良かったです。
ただ、このあとの三条とのやりとりなどもう少し台詞を入れても良かったかも。
「巷で多発する誘拐事件」「会社をクビになった森小路と東風による制服探訪(?)」
「梅田・姫島・樟葉の間で話題になった占い」などのネタを序盤に散りばめておいて、
樟葉が行方不明になった「すわ誘拐事件」を描き緊迫の展開。
しかし、そちらにはちゃんとオチがついていて、
本線はひびき先生に寄せる樟葉の思いの行く末・・というところまでは非常に良かったのですが、
クライマックスの占い館火災のシーンのリアリティのなさが全てを台無しにしてしまいました。
それ以外は「作品」として完璧といっていい出来なだけに
前回に続いて非常にざんねんでした。
いくら意中の人からのものではなかったとはいえ、
突然の告白を受けた直後に、自分の意中の人に告白する神経は尋常ではありません。
しかも河岸も変えずに。それは人として間違ってると思います。
というか脚本がルーチンワークに陥ってしまいましたね。
ここまでリアルで真っ当なお話を積み上げてきてて、期待が高まっていただけに、
この重要な局面でのミス、あまりにも痛恨・・。