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ごまの「アニメ批評日記」

『ふたりはプリキュア』

2004.01.21 ふたりはプリキュア

中学2年の美墨なぎさと雪城ほのかがひょんなことからプリキュアに変身し、悪のドツクゾーンからの刺客と戦う、という話。

1990年代に「セーラームーン」シリーズで一世を風靡した東映アニメーション(当時東映動画)が送り出す変身ヒロインアクションアニメ。

第3話まで視聴。
恋に友情にと等身大の主人公を描きつつ勧善懲悪の物語を展開するのは今や定番の手法。
安心して見ていられるのと同時に、本作においては一人でも五人でもなく二人としたことで、
より深い主人公キャラの掘り下げを期待させます。
今のところ主人公やその友人知人に悪の刺客による災いを絡めた一話完結という
これまでの定型とは違い、主人公達が戦いの構図を理解する過程をゆっくり描いているところが特徴的。
期待感を抱かせる試みではありますが、戦闘シーンにおける演出の不可解さとあいまって、
今のところは逆に定番から外れているところからくる居心地の悪さを強く感じてしまうのが残念。
その戦闘シーン、動きそのものは東映ならではというものですが、
攻撃→ピンチ→ピンチ脱出→勝利、というこの手の作品におけるシークエンスに論理性がなく(特に反撃に転じるところ)、
失礼ながら作り手が標榜する「極上のエンタテインメント」とはほど遠い出来になっています。

今のところ最も印象的だったのは、なぎさの百面相の如く豊かな表情の描写。
どこかの女学園モノの口先だけの「百面相」とは違い、こちらは見ていて楽しめる特筆すべき点となっています。
一方、ほのかの方は表情の変化を抑えているようで、個性の差を際立たせようとする作り手の意思を感じます。

ただ、あまり表情を乏しくしすぎてしまうとキャラクターの魅力が出ないので(正直なところ今のほのかにキャラの魅力を全く感じない)、
その辺りをどう解決し見せていくのかも注目したいです。

シリーズ構成:川崎良 シリーズディレクター:西尾大介 キャラクターデザイン:稲上晃

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更新:2005/09/14 作成:2004-05-31 文責:ごま(goma)
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