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ごまの「アニメ批評日記」

『PAPUWA』

2003.11.05 第1話「ようこそパプワ島へ!」

全話の評価 ? 公式のあらすじ

第1パプワ島を壊滅させたコタローが長い眠りから醒めガンマ団を脱出、パプワくんや元団員リキッドが生活する第2パプワ島にたどり着く、という話。

原作は柴田亜美の「月刊少年ガンガン(スクエアエニックス)」連載漫画。前作アニメ終了10年を経てのアニメ化。
不条理な出来事が主人公(コタロー。前作ではシンタロー)以外にとってはごく普通の日常である世界観と、
そこで繰り広げられるシュールなキャラによる馬鹿馬鹿しいギャグで笑わせる。

コタローが怪鳥と見つめ合った後くわえられるところや、「十円キズつけちゃえ」「やめなさいナマモノたち」のやりとり、パンツを握りしめたリキッドの一人芝居など、
本編に散りばめられているネタの数々を見ると、前作同様の笑いを目指しているようで、
少なくとも脚本段階においては達成されていると思うのですが、完成品を見ると印象は今ひとつでした。
ネタ自体は馬鹿馬鹿しいだけに、演出や演技によるテンポ、ノリの良さといった勢いで押し切ることが重要だと思うのですが、
演出のテンポは間延びしすぎていて、演技の方は各々まだまだ弾けきっていないようでした。

脚本:井上敏樹 絵コンテ・演出:西田健一 作画監督:中島美子

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2003.11.19 第2話「猛毒注意!?ドクツルタケのコモロくん登場」

全話の評価 ★★★ 公式のあらすじ

ガンマ団ではコタロー奪還の為の刺客としてアラシヤマが出陣。パプワくん達はわがままなコタローのために食料を調達に行く、という話。

前作のシンタローと同じ立ち位置であるコタローですが、
キャラ設定がシンタローとは違うために、どうやら前作の笑いの構造とは微妙に違っているところが本作ならではの楽しみ方を作り上げているように思えます。
即ち、前作のシンタローは半ば理不尽にパプワくんにいじめられていましたが、
コタローは性格が悪いので、酷い目にあうのを傍観して笑えるという構図になっています。
容姿や声が可愛らしく(特に目の表情が)描けているのも、性格とのギャップが出ていて面白いです。

本編は「減給」「ラマーズ法」「エスカルゴ」など、相変わらずネタとしては良いものをもってきているのに演出面で消化し切れていない感じです。
イトウくんやコモロくんなど、演技がはまっているキャラは面白いので、演技がこなれてくるであろう今後にまだ期待はもてそうです。

脚本:井上敏樹 絵コンテ・演出:鈴木卓夫 作画監督:華房泰堂・住本悦子

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2004年02月06日 第8話「ロタロー目覚める!?パプワハウスは大洪水」

全話の評価 ★★★★ 公式のあらすじ
ミヤギとアラシヤマの二人が「生き字引の筆」を使ってコタローの記憶を回復させ、ガンマ団に連れ帰ろうと画策する、という話。
キャラクターの作画がいつにも増して親父くさい印象で、
シンタローに誉められての「心の友(と書いてシンユウ)」状態を妄想するアラシヤマ
をはじめとするコテコテのギャグ演出を盛り上げていたように思いました。
前半、生き字引の筆によってビーバー化したオショウダニくんらが原因で洪水が起き、
それにより記憶が戻りかけたロタローに書かれた文字が消えてしまいミヤギ達の作戦が失敗に終わるというのは、
ミヤギ達の自業自得といえる伏線を生かした展開であり、話として上手くまとまっていました。
「バーニング野望」など本作には奇抜なネーミングが時折登場していて面白さの要素となっていますが、
こういうところは台詞の聞き取り易さに気を使って欲しいところ。  

脚本:浦沢義樹 絵コンテ:前島健一 演出:榎本守 作画監督:鈴木伸一

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2004年02月15日 第9話「お侍がやって来た!心戦組見参!!」

全話の評価 ★★★★ 公式のあらすじ
ガンマ団元総帥マジックへの私怨を晴らす目的で、コタローを狙う一団「心戦組」が現れる、という話。
ここまでのシリーズ最大の盛り上がりだった今回。なんといっても声優陣の熱演が最大の功労者でした。
なかでも局長とウマ子役の演技が素晴らしい。
マジックのことをこき下ろす「正にダニだ、害虫だ、いやむしろゴキブリの卵。キモッ!超キモ!」の台詞は、
大人の口調から入ってから若者が使う言葉に変化することで、オヤジと台詞のギャップの面白さをだすものでしたが、その意図通りの演技ができていました。
ウマ子では「こんな美味いみそ汁を作る男と、ウマ子結婚したいな」の台詞、
見た目通りのドスの効いた台詞から、その風味を残しつつのブリっ子(死語)がいい味を出していました。
「心戦組」のなかでは一番人気・実力を兼ね備えている沖田ソージ役の声優が、演技として負けていた感がありました。
あと、リキッド役の好演は今回も健在。
特にシュークリームを盾に刀を取り上げようとする会話は、母親っぽさがよくでて面白いです。

声優陣の熱演に対して、絵コンテ・演出レベルでの見せ方、間の取り方は今ひとつ。
サラリーマン漫画風の似顔絵をトシゾーが手に取る動きや、砂浜でロタローがトシゾーを引っこ抜こうとしている動きが分かりにくかったです。

今回はネタも満載。
「乙女心が燃えよ剣(タンノくん)」「他に行くところなし(心戦組)」などオヤジギャグが散見されましたが、
あっさりとテンポよく描かれていて面白い方に印象づけられていたと思います。

脚本:石橋大助 絵コンテ:中村憲由 演出:鏑木宏 作画監督:加瀬政広

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更新:2004-02-19 作成:2004-01-17 文責:ごま(goma)
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