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ごまの「アニメ批評日記」

『一騎当千』

*2003.10.13 第2話「弐」

南陽学院を牛耳る袁術から下った勅(命令)により、主人公・孫策伯符に闘士が次々と襲いかかる、という話。(→公式のあらすじ

原作は塩崎雄二。「月刊ComicGUM(ワニブックス刊)」連載中の漫画のアニメ化作品。
「番長モノ」とでもいうのでしょうか、学院の覇権をかけて肉弾戦(ケンカ)を繰り広げるという物語である模様。
中国の歴史書「三国志」に登場する武人の魂を受け継いでいるという要素を盛り込んではいるものの、
今のところは単なる「番長モノ」との差異はなく、今後に注目といったところ

見どころはアクションの自然な身体の動き

さて本作の見どころは「美少女ハイパーバトル!」と銘打たれている通り、
巨乳(爆乳)の美少女キャラと本格的肉弾戦アクションとの組み合わせによる妙。
テレビアニメの必然である動画枚数的な制約と、動きの多いアクションとの両立は難しいところですが、
本作ではアクション以外の会話シーンを物語進行目的と割り切り、
アクションシーンに枚数を当てて集中的に動かし両立をはかっているようです。
それによりアクションは、驚くべき程なめらかに且つ自然な身体の動きを表現できていて楽しむことができます。
ある種冒険ともいえますが面白い試みだと思います。

また、枚数を稼ぐ目的として、インパクトの瞬間* を一枚絵にするという手法も見られます。
これは渡部高志氏が監督を務めた「スレイヤーズ」でも目立った古くからある手法ですが、
魔法戦とは違う今回のような直接的なアクションに置いては、多用すると動きの乏しさが目立ち印象を悪くするきらいがあります。
この使い方には慎重になった方が良いかと思います。

「見えてしまう」というより「見せている」パンチラ

もう一つの見どころは美少女がアクションすることによる、
パンチラ(パンモロ?)や下着の露出といった所謂サービスシーン。
エロチズムではなく、そのようなカットが頻出することの馬鹿馬鹿しさが笑える、というのが主眼かと思われます。
ただ描き方が少々中途半端な印象。
日常的なシーンで、風などで簡単にスカートがめくれ下着が見えるというのは安直な表現であり、
エロチズムが入っているという風に受け取れてしまいます。

また肉弾戦のところのパンモロも工夫不足で、パンツやブラジャーが見えてしまうのがご都合主義的に感じられます。
一番の原因は背景。キャラクターが割とローアングルなのに背景がそうではない構図なので、
「見えてしまう」というより「(作り手が)見せている」という印象が強くなっています。
おそらくキャラクターの動きでパンモロを表現するところで思考が停止しているのだと思います。
人物と背景を統合的に考えてアングルをきちんと統一すれば、「見えてしまう」という面白さが際立つと思います。

* インパクトの瞬間:拳が相手の身体や地面などにヒットした瞬間のこと

脚本:吉岡たかを 絵コンテ:渡部高志 演出:秋田谷典昭 作画監督:矢上孝一

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更新:2003-10-25 作成:2003-10-25 文責:ごま(goma)
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