アニメコラム 2001/10/27

アニメコラム集

「フルーツバスケット」第十七話 2001/10/27

正にアニメならではという演出で楽しませる一方で、
テーマである「人」についての描写が説教くさくて浮いてしまってる感じがする
「フルーツバスケット」。
細かい部分にツッコミたいところは今回もいくつか(掲示板参照)あったが、
今回はテーマ的なところも非常によくまとまっていたと思う。
特に「いじめ」の描き方がすごくリアルで(先生の対応とか)、
キャラクターの心理描写や台詞が心にまで響いてくる感じがした
(これまで、そういうのが無かったということの方が作品的には問題なのだが)。

強いて難をあげれば、クライマックスで透とキサと抱きしめあうシーンで、
キサが喋るというところ。あれは性急で少しやり過ぎだと思った。
予感させるくらいで充分ではなかったか。

とはいえ、これまでに比べれば非常にいいできだったので、
今後もこういう感じで仕上がってくれるといいなと思う。

「超GALS!寿蘭」第31話
「ウェルカム ウキウキ→開店!パームツリー」 2001/10/28

今回は妙に顔のアップが多かった。 また目の描き込みに漫画的なくずし方が多く、その際作画も若干崩れていたように思う。
そういうところは良いとは思えなかった。個人的な好き嫌いが多少入るが

トワリンの過去や、客として来ていたおばあさんの存在が
伏線としてはってあったのは上手い演出だと思った。
ラスト、美由がアルバイトすることになるのも
前の話からのつながりをもたせてあり好感がもてた。

ギャク演出では、 「喫茶店パームツリー」の前にいた美由が、
中にいるらしきヤマト君が浮気してると思い怒鳴り込んだのだが、
勘違いだったと分かるところ。
シーンとしてはありふれているが、
「あ・・あ・・あ・・」チーン(赤面&頭に温泉マーク)
としたのが今までに見られない表現で非常に面白かった。
以上、笑いのポイントは上手く処理されていたし、
お話の進行は今回もテンポよくまとめられていたので、楽しくみることができた。

「コメットさん☆」第31話「マネビトさんがいっぱい」 2001/10/29

パパ不在の中、ママが寝込んだため
家事全てをしなければならないコメットさんは、
「星力」に頼らずにそれをやりとげようとする。

魔法使いが魔法に頼らずに・・というのは
魔法絡みの作品としては考えられる話ではあるが、
今回も演出の良さで魅せてくれた。

もともとこの作品では「星力」が一定時間においては有限に設定されており、
コメットさんがあまり「星力」に頼りすぎないよう条件づけられている。
今回においては、実は「星力」がただの便利な力ではなくて、
がんばっている人に星の方から力を与えてくれるものだということが描かれた。
タンバリン星国の二人のお話の際にも少しふれられていたのだが、
魔法の使用に条件をつけている事と、それをあまり目立たないよう描いている事は特筆もので、
それで視聴者をちゃんと納得させているのは上手いと思う。

コメットさんは最後まで自分から「星力」を使おうとしなかったのだが、
星の方から力を与えてもらったことでマネビト(分身)が出現し、
コメットさんががんばった分助けてもらった結果となった。
一方では、マネビト(分身)をたくさん作って最初から楽をしようとしたメテオさんを描いており、
両者を対比させることで、「がんばることが報われる」という臭いこと極まりない内容が、
きれいにまとめられていたと思う。
その際メテオさんの方も、店番で半ば必然的(でも半分は自主的。ここのところのバランスも絶妙)に
がんばったという描写はニクイ演出であった。

個人的には、メテオさんが演出上いいように弄ばれているのがかわいそうに思う(笑)


( 更新:2001年10月19日 文責:ごま )