アニメ批評「円盤皇女ワるきゅーレ(第1期)」第1話

アニメ批評「円盤皇女ワるきゅーレ(第1期)」第1話

ファーストインプレッション

放映日2002年7月4日

あらすじ

宇宙船や宇宙人はもう珍しくもなんともない近未来のお話。
「運は悪いが人は良い」時野和人は時代遅れの銭湯「時乃湯」をひとり切り盛りしている。
そこにはカワイイ女の子、ワるきゅーレが居候している。
ワるきゅーレには真田という執事らしき人がついていて、
なぜかワるきゅーレのことを姫様、和人を婿殿と呼ぶ。
ワるきゅーレは和人が大のお気に入りなのだが・・

レビュー

原作者は「鋼鉄天使くるみ」「魔法少女猫たると」の介錯。
「少年ガンガン」掲載漫画のアニメ化で、キッズステーション・オリジナルアニメ。
第1話では、宇宙人が当然のように人間社会で生活してという現状と、
銭湯を経営していて、ワるきゅーレを居候させている主人公和人という設定。
そして、ワるきゅーレが行方不明になるという事件にウェイトを置いて描いています。

それにしても最近の傾向として常々思っていることですが、
説明不足や必要な説明をしないことを、伏線であるとか作品の奥行きを出すための謎であるとか
と勘違いしている作り手が多いように思います。

本作においても同様で、上に書いた以外では
姫様、婿殿と呼ぶ執事による二人の関係であるとか、
和人が以前、宇宙船墜落の直撃を受けて瀕死となり
ワるきゅーレに魂を半分わけてもらって今にいたっていることや、
そのワるきゅーレは和人に分けた魂を戻すことで本来の姿に変身するという、
作品において重要な情報が直接的な説明ではなく、
間接的或いは断片的な描写で見せています。
また宇宙人との生活という現状は示していても、その経緯は示していません。

これらの要因により、 作り手が謎のつもりで描いて視聴者を引きつけているつもりであったとしても、
こちらとしては話が分かりにくいという不快感が募るだけで、
ちっとも話のなかにはいっていけません。
謎を描くなら、いかに興味を引きつけるかという点にまで気を使うべきだと思います。

今後の展開どころか今の状況すらつかめない、そんな感じの第1話だったので、
ストーリーについてはこれ以上なんとも言えません。

作画面では藤井まきによるキャラクターデザインが印象的である他は、
特にこれといった点を見いだすことはできませんでした。
むしろ、脇役以下のその他大勢のキャラにまで美少女キャラにしているところが、
却って見た目に平板な印象を与えていて逆効果になっているとも思えました。

( 更新:2002年7月10日 文責:ごま )