舞台は大阪下町・アベノ橋商店街。
再開発のまっただ中の、その町で暮らす小学6年生「あるみ」と「さっし(聖志)」。
幼なじみの二人だが、親の都合であるみが北海道に引っ越すことに。
一緒にいられるのは残り僅かというある日、
ひょんなことから二人は異世界にワープ。
どうやらそこも「アベノ橋商店街」のようなのだが元の世界とは全く違う。
かくして「剣と魔法」「宇宙SF」など様々な「アベノ橋商店街」を
放浪することになったのであった・・
CSオリジナルアニメ。
最近、第1話でやたら作画に力を入れるTV作品が多いですが、これもそう。
2話以降はご多分にもれず力が抜けていくのですが、
第1話の映像クオリティは尋常ではなく、
必見であると最初に言っておきます。
色々な異次元世界を主人公二人が旅していく、というストーリーで、
それぞれの世界は、そのモチーフのパロディという形をとっています。
例えば第2回は「剣と魔法」、すなわちRPGのパロディ。
二人で縦に歩いたり、死んだら教会へ行ったりと
パロディ的な面白さと通常の笑いネタを随所に散りばめたお話で楽しませてくれます。
ただ「コテコテの大阪ギャグ」と謳っているほどの
大阪らしさというのはあまり感じませんでした。
パロディで十分笑いがとれるので別に構わないのですが。
大阪らしさというと気になる点がひとつ。
キャラクターの大阪弁が下手なのがいただけません。
キャラの性格づけのための安直な設定、たとえば「某エルハザード」
の主人公などよりは一段上でマシという程度です
(ただし、さっしの父、母、祖父あたりの関西弁は合格)。
脚本には「大阪弁リライト」がついているのですが、
それなら音響にも「大阪弁チェッカー」とかをつけてもらって、
もっとがんばって欲しかったというのが正直なところです。
主人公とヒロインは関西弁がというよりも、
有り体にいって演技の方も・・という感じです。
主役に・・な声優を使うのは「カレカノ」以来の
ガイナックスの伝統なのでしょうか。
あと演出面で気になったのは、
カットの転換が早すぎて、
見ていて理解するのが追いつかない場合が多々あること。
特に「宇宙SF」の第3話では何が描かれているのか理解できないほどでした。
作画をケチって文句を言われるのならまだしも、
なんとも勿体ないことだと思います。
その当たりはずれや舞台の大阪はさておいて、
どんなパロディが描かれていくのか、
という期待をもたせてくれる作品です。